北海道・寿都に第四紀火山か 核ごみ最終処分場、大半が不適地の可能性 北海道教育大名誉教授ら調査
【寿都】原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向け、文献調査が行われている後志管内寿都町にある火山噴出物「磯谷(いそや)溶岩」が約258万年前以降に活動した「第四紀火山」に該当する可能性が高いことが25日分かった。北海道教育大の岡村聡名誉教授(地質学)らが火山活動の時期を調べた。火山の中心から半径15キロ圏は最終処分場の不適地となる。 【図】磯谷溶岩が第四紀火山だった場合の除外範囲
調査主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)は「現段階では処分場建設を避けるべきかは判断できない」としているが、今後、この内容が選定調査に反映された場合、同町の大部分が処分場候補地から除外される可能性がある。 磯谷溶岩は町北東部の南北約3キロ、幅1.5キロに分布する火山岩。核のごみ地層処分を定めた最終処分法は、第四紀(約258万年前以降)に活動した火山や関連する火山岩などはその半径15キロ圏での処分場建設を避けるよう規定する。高熱のマグマが坑道や核のごみ自体を破壊し、放射能が漏れる恐れがあるためだ。 磯谷溶岩は8月に国の審議会で了承された報告書案でも第四紀火山の可能性が指摘されているが、岩石の年代測定値がないなどの理由で判断が見送られている。