回覧板アプリや子どものやる気を引き出すアプリ アプリが地域や教育を変える
マネー研究所。お金をキッカケに広島の暮らしやビジネスに関わるニュースをお伝えしていきます。今回の取材は矢野寛樹ディレクターです。 【矢野ディレクター】 今回のテーマは「アプリが作る未来」 私たちが頻繁に使う「アプリ」という言葉を使いますが、加藤さん、アプリって何でしょう。 【加藤キャスター】 「スマートフォンでいろんな用途に応じたアプリを使って特定の目的を果たすというイメージです」 今回は「アプリって何?」から始まる新しい生活です。 《VTR》 まずは、専門家に聞きました。 そもそもアプリって何ですか? (広島市立大学・弘中哲夫教授) 「アプリはスマホそのものと言っていいかもしれません」 アプリはスマホと大いに関係があるのです。 現代のスマホには様々な機能が搭載されているのです。 (広島市立大学・弘中哲夫教授) 「(スマホは)最近はどんどん色々なセンサーが入っていてすごく高度な入力デバイスになっています。アプリはスマホに命を与えてそこでいろいろなことができるようになる。例えば地図アプリだとみなさん地図をもって動いた時に地図画面が一緒に動く。あれは加速度センサーとかジャイロスコープが動いている」 アプリとは、機械に搭載された機能を引き出して、活用するためのものと言えそうです。 今、様々な問題を解決するアプリの開発競争が熱さを増しています。 広島市立大学の大学院生たちが開発したのは・・。 (広島市立大学大学院2年生・山崎陽介さん) 「自治会や町内会での連絡を回覧板でやっていたり、連絡網でやっていたり、掲示板に貼っているものを全部デジタルに置き換えてしまおうというアプリです」 このアプリ、名付けて「コクバン」です。 (広島市立大学大学院2年生・山崎陽介さん) 「回覧板を回していったら時間がかかるが、送った瞬間に全員が見ることができる」 さらに、町内会ではありがちなこんな問題を解決する仕組みも考えられています。 (広島市立大学大学院2年生・山崎陽介さん) 「回覧板だけではなくて役員の負担も軽減するというのも込みで入っていて、過去の資料の蓄積をやりやすくしたり、役員が楽になる役員をもうちょっとやりたくなるような仕組みを作っています」 開発に要した時間はおよそ10か月ということですが、アプリの開発には、いろいろな役割が必要なのです。 (広島市立大学大学院2年生・梅田創さん) 「自分は情報セキュリティーに関する研究をやっています。プライバシーの保護は近年重要視されている」 山根さんは使い方の動画を作りました。高齢者に使ってもらうにはここは、大切なポイントです。 (広島市立大学大学院2年生・山根愛実さん) 「できる限り詳しくアプリのアイコンを押すというところから動画にする。そういうレベルでやっています」 このアプリの開発には大きなコンセプトがありました。 (広島市立大学大学院2年生・山崎陽介さん) 「みんなが地域コミュニティー活動に参加するという仕組み作りが必要だと考えて、デジタル世代の若い世代でも地域コミュニティーに参加できるような仕組みを作ろうとやっています」 さらに、広島市内の学習塾が開発したのは独特なアプリです。 (塾に通う生徒) 「勉強する時間が長くなったねって」 (塾に通う生徒) 「やる気とかプラスになったり、次も頑張ろうという気持ちになったりします」 この塾が開発したのは、子供たちのやる気を引き出すアプリ「ヤルキプラス」です。 この珍しいアプリの開発を思いついたのは、ITの専門家ではありません。 (5コーポレーション・田中良典社長) 「残念ながら僕です」 学習塾を経営する田中さんです。 このアプリは手首にこの器具を付けて勉強すると・・・ (5コーポレーション・田中良典社長) 「筆記をするときの手首の角度がそれぞれ固有のものなので、その角度による微振動を検知して勉強時間としてみなしています」 でも、勉強中には、手を止めている時間もありますよね。 (5コーポレーション・田中良典社長) 「そこも勉強時間としてみなすようにアルゴリズムを組んでいます」 「本当かなぁ」と思って、生徒さんに聞いてみると合ってるそうなのです。 勉強時間のデータの管理もスマホ画面で可能です。 でも、本当にすごいのはここからです。 このアプリは、モンスターを育ていくゲームに連動しているんです。 勉強した時間などがゲームを行うポイントになります。 ご飯を買ってあげたりして世話をしていくとモンスターが成長して姿を変えていくのです。 このモンスターは100種類以上いて、勉強しながらゲームする勉強とゲームを融合したまさに、「教育DX」になっているんです。 (塾に通う生徒) 「勉強したらほめられてそれだけでもうれしいし、モンスターも育ってくれるからやる気が上がるなと思いました」 そして、このアプリはやる気を出させるだけではないのです。 (塾に通う生徒) 「先生や保護者からもポイントをもらうことができます。「きょうは何時間(勉強)やったね。すごいです」とかそういうプラスなことを言われます」 ここが、このアプリのもう一つのポイントなのです。 (5コーポレーション・田中良典社長) 「親は愛情で包み込んででいるつもりでも、本人が気づいていない時があるので、そこを橋渡しするきっかけ作り」 このアプリには、保護者がコメント送るとポイントがプラスされるシステムも組み込まれているんです。 忙しいお父さんたちが、子供たちとコミュニケーションする機会にもなっているのです。 (生徒とお父さん) 「勉強しているコインは結構あるけど、お父さんや先生がくれるコインは少ないので欲しいです」 Q:コメントがいるんです。 「コメントの仕方を本人に聞いたのですが、本人もよく分かってなくてやり方が分からないまま今に至っている」 Q:早く覚えた方がいいですよね? 「そうですね」 作業を簡略化するDXから何かを与えるDXへ。 それをつなぐのが、アプリなのです。 (5コーポレーション・田中良典社長) 「子供たちが自主的に勉強しようと思ってくれる仕掛けと勉強時間を延ばしていくという仕掛けと保護者と塾の先生とたくさんコミュニケーションをとれる仕掛けを入れています」 《スタジオ》 アプリアプリと言ってますが、アプリの可能性ってすごいと今回思いました。アプリで本当に何でもできる時代です。 木村さん、いわゆる便利なアプリだけじゃなく、やる気を出す、心にも作用する部分はびっくりです。 【コメンテーター:エディオン女子陸上部アドバイザー・木村文子さん】 「私もやる気を起こしてもらいたいぐらいです。大学院の勉強が進まないので、やりたいって思いました」 いろんな機能があるものを、これとこれとこれを組み合わせて、これを作りましょうというデザイン。そういうことをやるのがアプリだと考えると無限の可能性があると思います。 以上、マネー研究所でした。
広島ニュースTSS