【漫画】“最後の晩餐”で成仏を…あの世のレストランで繰り広げられる“未練”の物語に反響「じんわり涙が」「優しい気持ちになった」
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、鈴野スケさんの『冥天レストラン』(小学館)をピックアップ。 【漫画】食材調達のためピーマンの怨霊と対決!御曹司が“最後の晩餐”のため奔走する姿が面白くて泣けると話題 未練を残したまま命を落とした財閥の御曹司が、“あの世”の怪しげなレストランにたどり着くところから物語が始まる本作。9月12日に作者が第1話である「1皿目 薔薇色人生に終わりをどうぞ」をX(旧Twitter)に投稿したところ、10万以上の「いいね」が寄せられ読者から大きな反響が集まった。この記事では作者である鈴野スケさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。 ■御曹司があの世で強制労働!? 魅力的なキャラクターが彩るヒューマンドラマが話題 財閥の御曹司である薔薇園蛾太郎は、これまで何不自由ないバラ色の人生を謳歌してきた。が、そんなある日、交通事故に遭ってしまう。ふと目を覚ますとそこはなんと“あの世”だった。 突然人生を終えることになった蛾太郎はショックを受けるも、死後もなお人の形をしていることから自分の死を受け入れられずにいた。そこに居合わせたおばけから「未練が多い人生だと人の姿のままあの世にたどり着いてしまう」と聞かされるが「帰りたい!!」「金は出す!!」と切望する蛾太郎。そこで、おばけは人生への未練を消してくれるという店・冥天レストランに案内する。 冥天レストランでは、死者の走馬灯に映る思い出の料理を“最後の晩餐”として提供し、魂を成仏させていた。そこで働くウェイトレスガール・骨ミちゃんも蛾太郎と同じで未練が多く、人型の魂は働かないと骨になって消えてしまうのだと明かす。しかし、レストランでお客さんと触れ合えば未練が減りやすいといい、「ここで働ケ」と蛾太郎を強制的に引き入れるのだった。 これまでに労働をしたことがなく、働かされることを屈辱的に感じる蛾太郎。しかしいざ働き始めると、皿を割ったり転んで料理をめちゃくちゃにしたりとドジばかり。骨ミちゃんに励まされるも何もうまく出来ない自分に落ち込んでいた。 そんな中、あるおばけのオーダーが“ピーマンの肉詰め”だったことから2人は食材の調達に行くが、ピーマンが大の苦手な蛾太郎にはある試練が待ち受けていて…。 労働や忍耐を経験してこなかった御曹司・蛾太郎が“あの世”でさまざまな魂と触れ合い、最後の晩餐をとおして死者の思い出に寄り添う姿を描くヒューマンドラマ。ところどころコミカルなギャグが散りばめられながらも、未練を残した死者たちの物語が涙を誘うと話題を集め、X(旧Twitter)上では「最高!」「ギャグとシリアスがマッチしてて面白い」「笑えてほろっと泣ける」「キャラが生きてる」「じんわり涙が出る温かいお話」「読んだら優しい気持ちになれた」「骨ミちゃんが強烈に魅力的!」など読者からの声が多く寄せられ、反響を呼んでいる。 ■「ファンタジーと現実感の入り組んだ感じを出せたら」作者・鈴野スケさんが語る創作の背景とこだわり ――『冥天レストラン』が生まれたきっかけや理由があれば教えて下さい。 とてもさかのぼると連載が始まる一年以上前に、読み切りのネタ探しする時にたくさんアイデア出しの落書きをしていて、その中の一枚が冥天レストランの元になるものでした。あの世でオバケと働くの可愛いってだけのコンセプトの落書きで、キャラはなにも作れなかったので読み切りにするまでもなく没にしました。 その後読み切り企画を考えて困ってるときにインプットが大事って風の噂で聞いて、 映画をたくさん見た後読み切りを考えたら昔のボツ案を練り直してはどうかと思って、練り直したら冥天レストランができあがりました。没にした昔の落書きも侮れないと思いました。 ――財閥の御曹司・薔薇園蛾太郎と“あの世”の冥天レストランで働くヒロイン・骨ミちゃん、それぞれのキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか? キャラクターは何らかの象徴のようなアイテムモチーフがあると、名前も考えやすくキャッチーでいいと思っていて、あの世ならではで、骨とか蛾とか明るくないものをモチーフにしようと思いました。 ガ太郎は蛾の地味さと昭和っぽい坊ちゃん像を混ぜたらこうなりました。 骨ミちゃんはどうせ死んでるし、体が骸骨キャラクターにしようと思いました。骨はあばら以外はかわいくないので、あばらだけにしました。怖くなりそうなデザインで心配でしたが、デフォルメな絵柄とリボンでなんとかバランスをとれたのかもしれません。 浮世離れした経歴不明なキャラクターが好きです。 ――骨ミちゃんと出会った蛾太郎の心境の変化が印象的な第1話ですが、第1話の中で鈴野スケさんにとって特に思い入れのあるシーンやセリフはありますか? ごちそうさまでしたって言うシーンです。バトルの解決に食事の良さがうまく作用してお気に入りです。 ――蛾太郎がドジをしたり、骨ミちゃんの意外な姿が明かされたりとシュールに描かれるシーンの数々も読者の笑いを誘っています。作画の際にこだわっている点や「ここを見てほしい」というポイントがあれば教えて下さい。 絵はまだまだ勉強中の身ですが、表情を豊かにできるよう気を付けています。構図は見やすいよう気をつけてるかもです。 ―― ゼロから世界観を創りあげ、物語を展開していくうえでの鈴野スケさんのこだわりや特に意識している点がありましたら教えてください。 ファンタジーと現実感の入り組んだ感じを出したいと思って頑張ってます。 ――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。 1月12日(金)に2巻が発売されるので、良ければよろしくお願いいたします!