神聖な穂高神社奥宮も参拝! 秋景色広がる憧れの上高地日帰りハイキング【後編】
平湯キャンプ場をベースとして、日帰りで楽しむ上高地絶景ハイキングの後編です。 上高地でも一番の映えスポットとして人気の高い河童橋から、ふたたび右岸道へ入って、穂高神社の奥宮を目指して歩いて行きます。 【写真】ハイカー憧れの秋景色広がる上高地日帰りハイキングの行程を見る(全10枚)
色鮮やかな秋の森を満喫
このあたりは、川の流れが複雑に枝分かれしていて、湿地帯のような感じになっているエリア。 錦秋の美しい森と、緑鮮やかなコケ。木々の間を渡る風の音、澄んだ水の流れと水面のきらめき。鳥のさえずり、木々の枝や葉を揺らす風の音……。 ふと流れをのぞき込むと、きらめく魚影が目の前をよぎっていきました。イワナかもしれません。 爽やかな風と柔らかな木漏れ日に癒されながら歩くのは、究極のデトックス。木の香りと、フィトンチッドたっぷりのきれいな空気を吸い込みながら、ゆったりと森の時間を楽しみます。五感のすべてを全開にして、自然の中にひたっている喜びをかみしめていると、どこまでも歩いていけそうな気がします。 モフモフの苔の上に散り敷いた色鮮やかな落葉を観察したり、かわいらしいきのこを探したりするのも楽しいもの。花の季節も素敵ですが、彩り豊かな秋の上高地も魅力たっぷりです。 明神池が近づいてくると、少し樹種も変わるのか、あでやかな紅葉もちらほらと目に入ってきます。中でも、コミネカエデの紅葉はビビッドな紅色で、針葉樹の深い緑色とのコントラストがとてもきれい。 上高地は標高約1500m。夜にはかなり冷え込むために、平地と比べて、紅葉がひときわ鮮やかになるようです。
神が降りる地“上高地”に鎮まる穂高神社奥宮
日本アルプスの総鎮守と崇められている穂高神社。上高地は、古くは“神降地”と書いたとも伝えられている聖地で、ここに祀られているのが穂高神社奥宮です。ご本社は安曇野市穂高にあり、延喜式にも列せられている由緒ある神社。また〝嶺宮〟が、奥宮のさらに奥地、奥穂高岳の山頂に祀られています。 奥宮の背後に広がっているのが、神域である明神池。周辺の険峻な山とは対照的に、常に静けさに守られた美しい池です。伏流水や湧水によって形成されているため、冬でも凍らないそうです。 気軽な日帰りハイキングで、迫力あるアルプスの名峰を間近に眺められるのが上高地の魅力のひとつ。 涸沢や奥穂高岳、北穂高岳、槍ヶ岳、蝶が岳などへ登る登山口でもあり、観光客から重装備の登山者まで、いろいろな人が行きかう活気のあるエリアです。お洒落なカフェや土産物屋さんもたくさん。お土産を探すのも楽しいひとときです。 雄大な景観と心地よい自然。季節を変えて、何度でも訪れてみたい。そんな気持ちになる美しい場所でした。さあ、バスで平湯バスターミナルへ戻ったら、ひらゆの森でひと風呂浴びて、疲れを癒しましょう。
根岸真理