タイ財務相、利下げ余地指摘 中銀総裁「政策の組み合わせ必要」
[バンコク 3日 ロイター] - タイのピチャイ財務相は3日、インフレ率が低いため、利下げの余地があるとの認識を示した。景気を下支えするため、金融・財政政策を連携させる必要があると改めて呼びかけた。 ピチャイ氏はビジネスフォーラムで、景気支援のため、タイバーツが低めの水準で安定することを望むとも発言。政策協調が適切に行われれば、来年の経済成長率が4─5%に達する可能性があるとの見方も示した。 今年の経済成長率は2.6─2.8%になる見通しという。 その後、記者団に対し、追加利下げを望んでいるが、決定はタイ中央銀行の金融政策委員会次第だと発言。「私はさらなる利下げを望んでいるが、それが次回の会合で行われるかどうかはわからない」と述べた。 中銀金融政策委員会は10月、予想外の利下げを決定。次回の政策見直しは12月18日。 国際通貨基金(IMF)は先週、追加利下げがタイの景気回復を後押しするとの見方を示した。 一方、中銀のセタプット総裁は別のイベントで、金利だけでは全てに対処できないため、ポリシーミックスが必要だと発言。 「金利だけでは全ての問題を解決できない。強靭な政策を実施するには他の手段で補う必要がある。我々は強力な政策を実施したい」と述べた。 金融政策はデータ主導ではなく、経済見通しで決まるとも発言。中銀はフォワードガイダンスを重視していないと述べた。 「データにはノイズや不確実性、ボラティリティーがある。データに基づいて政策を決定すると、政策が不安定になる」と語った。 総裁は、高水準の家計負債に対処する措置が12月11日に発表されることを示唆した。 ピチャイ財務相は、タイの競争力向上に向けた個人・法人税減税のほか、付加価値税の引き上げを検討していることも明らかにした。 タイの法人税率は20%、個人税率は最大35%。付加価値税は現在7%。