背番号「10」論争の前に香川と中島の共存は可能なのか?
胸の鼓動が高鳴るのを抑えきれない。昨夏のワールドカップ・ロシア大会のグループリーグ初戦で、キックオフ直後に自らが獲得したPKを決めた強敵コロンビア代表との再戦。そして、続くボリビア代表戦は生まれ故郷の兵庫県神戸市が舞台となる。 まさに絶妙のタイミングで、MF香川真司(ベシクタシュJK)はロシア大会以来、約8ヵ月ぶりに日本代表への復帰を果たした。憧憬の思いを抱きながら、森保ジャパンの戦いを見てきたからか。吉報が届いた直後に更新されたツイッターには、熱い思いが凝縮されていた。 「ワールドカップ以来の代表で地元神戸で試合ができる事、コロンビアとの再戦。何か縁を感じます。自分の経験や立場を代表に活かしていいスタートが切れるように全力をつくします」(原文のまま) 日本サッカー協会から14日に発表された、キリンチャレンジカップ2019に臨む日本代表メンバー。コロンビア(22日・日産スタジアム)およびボリビア(26日・ノエビアスタジアム神戸)の南米勢と戦う23人は、準優勝に終わった先のアジアカップUAE大会から13人が入れ替わった。 ロシア大会で評価を急上昇させたDF昌子源(トゥールーズFC)、セレッソ大阪から移ったヴィッセル神戸でアンドレス・イニエスタやダビド・ビジャの薫陶を受けているMF山口蛍らが復帰。ベルギーでブレーク中の鎌田大地(シントトロイデンVV)、J1で早くも3ゴールをあげている鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)ら4人が初招集されたなかで、注目されるのはやはり香川となる。 東京・文京区のJFAハウスで記者会見に臨んだ森保一監督は、キャプテンのDF吉田麻也(サウサンプトン)、ベテランのDF長友佑都(ガラタサライ)らを「力は把握できている」とあえて招集せず、新たな顔ぶれを各ポジションに加えた理由をこう説明した。 「これから先に我々が臨む戦いで、一部のコアな選手だけでしかチームが回らないということがないようにしたい。より多くの選手に今回の厳しい戦いを経験してもらうなかで、チームの戦い方やコンセプトを理解してもらい、日本代表としてのベースをさらに広く、強固なものにしていきたい」 吉田や長友、MF柴崎岳(ヘタフェCF)らのロシア大会組が復帰した昨年10月シリーズでは、香川も候補にあがっていた。しかし、直前のタイミングで故障離脱したことで見送られ、王座奪還を目指すアジアカップへ向けて骨格が固められた陣容のなかに入り込む機会を逸した。