中国の若者の間で「かくれんぼ」が流行 40都市で計1.6万回も
【東方新報】中国各地の都市でこの秋、若者を中心に「かくれんぼ」が流行した。 まず、数十人が夕方から公園に集まり、抽選で「ネコ」と「ネズミ」に分かれ、腕に蛍光リングをつける。ネズミ役が10分ほどの時間で隠れると、ネコ役が一斉に捜索を開始。中国の衛星ナビ「北斗(Beidou)」や地図アプリ「高徳地図(Autonavi)」を使い、それぞれのスマホにネコとネズミのマークが登場する。その位置情報を頼りに、追いかけっこを繰り広げる。 ネコ役は数人程度から始まる。ネズミ役をつかまえると、蛍光リングを手に入れることができる。つかまった「ネズミ」はその後「ネコ」に代わり、他のネズミ役をつかまえにいく。1時間ほどでタイムアップとなり、蛍光リングを最も多く手にした人が「ネコ王」、最後までつかまらなかった人が「ネズミ王」となり、ぬいぐるみやサーモスタイプの水筒などの賞品がプレゼントされる、といった具合だ。 かくれんぼゲームはSNSを通じて企画され、希望者は10~20元(約207~414円)ほどの参加料を払うだけ。全国に3000以上のグループがあり、9~10月に全国40都市以上で約1万6000回もかくれんぼが行われたという。 参加者たちは「子どもの頃のかくれんぼを思い出し、ダイエットにもストレス解消にもなる」「1時間で1万歩以上走ったり歩いたりして、追い掛けられる時はドキドキする。ジョギングでただ走って汗をかくより面白い」「かくれんぼに参加した人と友達になれる」とその魅力を語る。ネコ同士が連携してネズミを追い掛けるなど戦略や駆け引きもあり、低価格で簡単に参加でき、体と頭を使うところが面白いようだ。 ただ11月に入ると、10月には50人が集まった公園で再びゲームをしても、10人程度しか集まらないケースもあるという。参加者が追いかけっこに飽きたか、屋外が寒くなってきた影響もあるようだ。 かくれんぼゲームを企画している劉森(Liu Sen)さんは、「かくれんぼの方法を今後さらに進化させる可能性があります。屋内のボードゲームや、参加者が殺人事件の関係者になりきり犯人を推理する『劇本殺(マーダーミステリー)』ゲームなどと組み合わせることも考えられます」と話している。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。