強盗事件の現場となった白鷹簡易郵便局＝18日午後1時半、白鷹町中山

　白鷹町中山の白鷹簡易郵便局に刃物を持った男が押し入り、現金100万円を奪った強盗事件で、男が一部2階建ての平屋部分の屋根に上がって2階の窓ガラスを割り、侵入したとみられることが18日、関係者への取材で分かった。事件は19日で発生から1週間となるが、犯人は刃物を持ったまま逃走している。現場周辺では警戒が続き、県警は男の行方を追っている。 ■侵入方法 　郵便局は一部2階建てで、男は平屋となっている南側の出入り口からは入っていないとされる。2階南西窓の錠付近が三角形に割られていた。他の窓などに破損部は確認されていないことから、犯人は平屋部の屋根に上り、窓を破壊して2階から入った可能性がある。 ■犯行状況 　局長でもある70代の女性局員が12日午後2時45分ごろ、1人で事務室で勤務中、隣りの和室から物音がしたことに気付いた。中を確認したところ、犯人の男と鉢合わせになった。男は包丁のような刃物を示し、女性局員は後ずさりをしながら、一緒に事務室の方へ移動。「金を入れろ」と要求され、差し出された黒色系のバッグに女性はオートキャッシャーから紙幣を出し、入れた。現金を奪うと、男は南の方角に走って逃げた。犯行時間は5分ほどだった。

■犯人の特徴 　男は中高年とみられ、青色系の襟付きの半袖シャツに、灰色っぽいズボンを着用。野球帽タイプの帽子は薄茶色系で、マスクをかけ、白っぽい軍手も身に着けていた。 ■目撃情報 　現場近くで作業していた男性が同日午前10時ごろ、郵便局の前を通る主要地方道山形白鷹線に、見慣れないシルバー系の軽ワゴン車が南向きに止まっているのを発見。誰も乗っていなかった。この男性は犯行時間後の午後3時ごろ、郵便局方面からこの車が止まっていた場所の方へ向かう人物を目撃。軽ワゴン車に乗って立ち去ったとみられる。 ■捜査状況 　県警は同時間帯検問や周辺への聞き込みを続けている。防犯カメラやドライブレコーダーの映像の解析も進めている。 町内の小学校、スクールバスの本数増やし送迎 　白鷹簡易郵便局に押し入った男が刃物を持ったまま逃走していることを受け、町内の小学校は18日、スクールバスの本数を増やして児童を送迎した。当面の間は同様の対応を続ける。

　町教育委員会によると、学校の近くに住む児童は集団で登下校し、教員が付き添うなどして安全を確保する。中学校は複数人での登下校を続ける。部活動や体育などの屋外活動は17日から再開している。