巨人V奪回のキーマンに 高校時代は三番手投手も「野球センス抜群の左腕」は
投球フォームの改造が奏功
巨人にドラフト4位で入団すると2021年、22年のオフに2年連続で育成契約に。だが、心は折れない。グラブを高々と上げて、反動をつけて左腕を振り下ろす投球フォームに改造すると直球の球速が上がり、力強さが増した。 「今までは普通に投げても137キロとか138キロしか出てなかった。それが軽く投げているのに143キロとか出始めて、『え!?』って。もうそこで、こうやって投げようと決めました。そこからは自分のものにするだけでしたね」 成功への道筋が見えたことで、階段を駆け上がる。昨年の3月に支配下昇格し、4月23日のヤクルト戦(神宮)で5回2失点の粘投。根尾、柿木より先にプロ初勝利を挙げると、その後も先発、救援で計20試合登板し、4勝8敗2ホールド、防御率3.95をマークした。 今年は制球に苦しみ、ファームで4カ月過ごしたが、9月に再昇格後は安定した投球を続け、12試合登板で3勝1敗、防御率0.94。重圧の掛かる場面でもきっちり抑える。先発、救援と起用法の幅が広く貢献度は非常に高い。プロで初めて味わうリーグ優勝は特別な思いになるだろう。シーズンは残り4試合。必要とされる役割で、全力を尽くす。 写真=BBM
週刊ベースボール