国債減額方針で分かる…日銀の金融引き締め前のめり姿勢 短期金利上昇はすぐにはないが…次の利上げへの「地ならし」に
要するに、長期国債の買い入れ額の減少は、目先の長期金利の上昇要因になるばかりか、近い将来の短期の政策金利の上昇要因にもなっている。マネー量と金利が無関係なはずはないのだ。ここまでくると、やはり植田和男総裁体制の日銀は、金融引き締めに前のめりすぎることがわかるだろう。
金融政策は「ビハインド・ザ・カーブ」で行うべきであるので、インフレ目標が2%の場合、インフレ率が4%程度になるまで金融引き締めをしてはいけない。そうでないと、いま開きつつあるGDPギャップ(潜在的な供給力と実際の需要の差)がさらに拡大し、景気の腰を折るだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)