【テニスルール虎の巻】サービスエースが決まったと思ったら相手が「準備できていなかった」とポイントやり直しを主張してきた＜SMASH＞
多くのアマチュアは自分自身でゲームの判定を下す「セルフジャッジ」でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単」と思うかもしれませんが、それは大間違い。いい加減な判定によってトラブルを起こすことが多々あるからです。 【画像】「その判定、ちょっと待った！」試合で見かけるトップ選手と審判の熱いやりとり そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこで四大大会の出場経験を持つ元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。 今回のケースは「サービス時のトラブル」についてです。相手レシーバーが構えたように見えたのでサービスを打ったらエースになりました。すると相手が「まだ準備できていなかった」と言ってポイントのやり直しを主張してきました。さあ、こんな時はどうすればいいのでしょうか。 ◆ ◆ ◆ これは「ウェイト（待って）」をかけるタイミングによります。例えば、サーバーが「レシーバーは準備できている」と確認してからサービスのモーションに入り、その間に隣のコートからボールが入り込んだのでレシーバーがレットをコールした場合、ポイントのやり直しとなります。 あるいはサービスモーションに入ってから、レシーバーの目にゴミが入って痛さのあまり「ウェイト」をコールして後ろを向いてしまった場合などは、「相手のサービスを無意識に妨害した」という理由でポイントのやり直しとなります。 サーバーはサービスを打つ時にレシーバーの準備状況を確認しなければなりません。「準備ができていたか、できていないか…」。準備できていた後に、他からの妨害などの正当な理由でそれを解除した場合は「無意識による妨害」となり、ポイントのやり直しとなるのです。 レシーバーが準備できていると思って、サーバーが（準備できていないことに気付かずに）ボールを打ってしまった場合、そのサービスのやり直しとなります。サービスを打つ際には、レシーバーの状態をしっかりと確認しなければならないということです。 レシーバーはサーバーのペースに合わせなくてはいけませんが、どうしても間に合わなくて待ってほしい時は、すぐに相手にわかるように「ちょっと待ってください」と伝えるべきです。サービスが打たれた後に「準備できていませんでした」というのではなく、その前にしっかりと伝えるのが、マナーだと思います。 解説●岡川恵美子 17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム（四大大会）では、全豪オープン３回戦進出をはじめ、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF国際審判員、JTA公認審判員も務める。 構成●スマッシュ編集部 ※スマッシュ2023年７月号より抜粋・再編集
