望まない妊娠に「どうせ男連れ込んで育児放棄」とソーシャルワーカーがキレた理由『新宿野戦病院』
妊娠させた男性は登場しない
4話を視聴後には望まない妊娠についていろいろ考えたくなった。まずカスミは「想像力が足りない」「馬鹿な女」など厳しい言葉を浴びていたが、カスミだけではなくカスミを妊娠させた男性もその言葉を受け止めなければいけないのではないか。しかし、その場に男性の姿はない。名前さえ出てこない。 『新宿野戦病院』同様に現在フジテレビで放送されている『海のはじまり』の1話では、南雲朱音(大竹しのぶ)の「妊娠も出産もしないで父親になれちゃうんですから」という印象的なセリフが飛び出すが、望まない妊娠があったかどうかさえ男性は知らずに生きることができてしまう。妊娠や出産が女性ばかりに負担や責任を追わされている現状は、改めて是正される必要性を感じた。 加えて、カスミは東京にも赤ちゃんポストがあると勘違いしていた通り、妊娠や出産に関する情報不足を覗かせている。赤ちゃんポスト、避妊具を使用した場合でも妊娠する可能性があることなど、幅広い性教育の徹底が必要不可欠であることが伺えた。宮藤が脚本を手がけ、多くの話題を集めた『不適切にもほどがある!』(TBS系)同様、本作でも様々な議論が展開されてほしい。
望月 悠木