【明日の金ロー】ジョン・ウー監督の”三原則”で見どころ満載の「ミッション:インポッシブル2」
14日の金曜ロードショー(後9時)は、先週放送の続編「ミッション:インポッシブル2」(2000年)が登場。35分の放送枠大幅拡大で、本編ノーカットで放送する。 IMFのエーススパイであるイーサン・ハント(トム・クルーズ)に今回課された任務は、元IMFのテロリスト・アンブローズに強奪されたウイルスとその治療薬の奪還。イーサンはアンブローズの元恋人で大泥棒のナイアを味方にすると、アンブローズの元へ潜入をさせて内情を探らせる。アンブローズの目的とは? そして、イーサンはウイルスと治療薬を取り戻すことができるのか…。 本作から、新しい作品が公開される度に派手になっていく乗り物を使ってのアクションシーンが本格始動。序盤のカーチェイスからバイクでの逃走シーンなど、ヒヤヒヤさせられる場面が連発する。先週放送された1作目の”代名詞”とも言える、ワイヤにつるされて潜入するシーンを想起させるところもあり、気を抜く瞬間が無い。 また、前作には見られなかった「LOVE」の要素が加わった点も注目したいところ。たった一晩でイーサンのとりことなってしまったナイアに「そりゃないだろ!」と突っ込みは入れたくなるが、セリフにもあるように「ナンパ上手なスパイは別」であるならば仕方がないのか…。個人的には本シリーズよりも「007」シリーズの方が好みではあるのだが、ボンドガールとのやり取りにも通じるところがあるという意味では、ニヤリとさせられる。 何より、本作最大の魅力は、監督の「色」が十二分に出ているところだろう。メガホンを執ったのは香港の巨匠ジョン・ウー監督。「男たちの挽歌」(1986年、日本公開は87年)や「レッドクリフ」(part1=08年、part2=09年)などで知られ、17年(日本は18年)には高倉健さん主演の「君よ憤怒の河を渉れ」(76年)のリメイクで、福山雅治が主演した「マンハント」が公開された。 そのウー監督作品の特徴として挙げられるのが、〈1〉スローモーションの多用〈2〉2丁拳銃〈3〉鳩(はと)の”三原則”。〈1〉と〈2〉は分かるが、〈3〉については「何のこっちゃ?」という人もいるかもしれない。ウー監督の作品では、ストーリーに直接関係がなくても白い鳩が飛び立つ場面が登場。本作でも、「どうしてここにとまっている必要があるの?」というところで鳩が姿を見せる。 ちなみに、「レッドクリフ」の公開時の予告では血なまぐさい戦闘シーンが次々と繰り広げられる中で、突如”清涼剤”のように鳩がカットイン。思わず苦笑いしてしまいます。(高柳 哲人)
報知新聞社