米国債が上げ拡大、パウエル議長が利上げ懸念を緩和-注目は米統計に
(ブルームバーグ): 2日の金融市場では、米国で相次ぐ経済指標の発表を前に米国債が上昇。インフレの低下傾向が止まった兆しが表れているものの、経済指標が年内の利下げ期待を後押しする可能性があると見込まれている。
米10年債利回りは一時4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して4.59%となり、米国債はパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が1日発言して以降の上げを拡大した。パウエル氏は利下げのスケジュールを示さなかったが、「次の金利の動きが引き上げとなる可能性は低い」と述べ、投資家の不安を和らげた。
米国債は4月の月間で、1年2カ月ぶりの大幅な下落を記録。1日から2日にかけての上げが有意な反転となるためには、米経済が冷え込みつつある証拠が必要になる。2日の新規失業保険申請件数と製造業受注、3日の雇用統計が注目される。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのマーク・ヘーフェル最高投資責任者(CIO)は「現在の経済情勢は、今年のソフトランディングと整合的だ。だが、急ブレーキが時折かかることもあるだろう」と述べた。同氏は米10年債利回りが今年末までに3.85%に低下するとみている。
短期金融市場では、11月までに0.25ポイントの利下げが1回あると見込まれ、年内に2回目の利下げがある確率を3分の1程度としている。今年年初の時点では、年内に最大6回の利下げが織り込まれていた。
原題:Treasuries Extend Post-Fed Rally With All Eyes on Jobs Data(抜粋)
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Greg Ritchie