最新のスマート文具を『文具女子博2024』で発見! 日々を彩るミライの道具とは?
2024年12月12日から15日の4日間、パシフィコ横浜で『文具女子博2024』が開催された。2017年から開催された本イベントだが、年々来場者数は増加し、累計来場者数は50万人以上に及ぶ。 【写真】ミニフォトプリンターやスマートペンなど 『文具女子博2024』で展示されていた最新スマート文具 出店社は170社以上、販売アイテム数は7万点以上と、開催史上最大の規模となった本イベント。そんな国内最大級の文具の祭典『文具女子博2024』から、本記事では“スマート文具”に注目。デジタル×文具という掛け合わせで、いったいどんなアイテムが生み出されたのか紹介していきたい。 ・持ち運びやすいお手軽プリンターに注目 まず最初に紹介したいのは、キヤノンのミニフォトプリンター『iNSPiC PV-223』だ。こちらはスマートフォン専用のプリンターで、フォトペーパーはシール紙になっている。 カラーは「ピンク」「ホワイト」「ブルー」の3色展開。そのままでもかわいいカラーリングだが、専用の着せ替えプレートも販売しているため、スマートフォンのように気分に合わせてカバーを付け替えることもできる。実際に印刷したシールを使って、本体をデコレーションするのもいいだろう。 驚いたのは軽さだ。大きさもスマートフォンと同じくらいで、持ち運びがしやすい。ここまで手軽に持ち運べるのであれば、ちょっとした外出時でも、ポッケに入れて持っていくことができる。充電は、同梱されているUSBケーブル(Type-C to TypeA)を使う仕様だ。 対応しているフォトペーパーは、スクエアタイプと丸型の2種類となっている。蓋を開けて用紙をセットし、あとはスマートフォンで写真を選ぶだけで印刷可能だ。インク交換などの手間がかからず、扱いやすい。 実際に筆者も丸型のフォトペーパーで印刷してみたのだが、出来栄えはとてもかわいらしい。自分だけのオリジナルシールといった感覚で、シール交換をしていたあのころを思い出しワクワクした。また、印刷時の音がとても静かで、場所を問わず活用できそうだ。 印刷するには、まずBluetoothでスマートフォンに接続し、専用アプリ『Canon Mini Print』で編集をする。アプリではレイアウトはもちろん、スタンプやフレーム、色味の調節もできる。また、アプリ上で『iNSPiC PV-223』のバッテリー残量が表示されているのも便利だ。 『iNSPiC PV-223』は手軽さに特化したプリンターだったが、もう少しクオリティを上げたい人には、同じくスマートフォン専用プリンターの『SELPHY QX20』がおすすめだ。今年10月に発売されたばかりの新商品で、カラーは「ホワイト」と「グレー」の2色展開となっており、印刷できるかたちは「カード」「スクエア」の2種類。どちらも専用のシール紙となっている。 インクリボンが内蔵されているため綺麗な印刷が可能となっており、家族写真や記念写真など、思い出に残したい写真を印刷する際に活躍する。また、オーバーコートで仕上げているため、キヤノンの取り扱いに準じた保管をすれば、100年間ものあいだ綺麗な状態を維持することが可能だ。 (参考:仕様 SELPHY QX20https://personal.canon.jp/product/printer/miniphotoprinter/lineup/qx20/spec#album) 使用時は専用アプリ「SELPHY Photo Layout」を起動し、本体のQRコードを読み込むと使用可能となっている。Wi-Fi環境がない場所でも、本体があれば使用できるのが便利だ。 ・アナログとデジタルをダイレクトにつなげるスマートペン 次に紹介するのは、 NeoLAB株式会社から発売されている『Neo smartpen』シリーズだ。このスマートペンでは、ノートに書いた文字や絵がリアルタイムでデジタルデバイスに反映される。しかも、GoogleカレンダーやOutlookのカレンダーなどに飛ばすことができるので、普段使いとしての汎用性も高い。 使用するには、専用のスマートペンとNノートが必要だ。反映させたいデバイスに、『NEO STUDIO』のアプリをダウンロードして接続する。 ペンは、買いやすさと可愛らしさを選ぶなら『Neo smartpen dimo ネオスマートペン ディモ 』、書き心地を優先するなら『ゲルインキタイプ Neo smartpen A1 ネオスマートペン エイワン』がおすすめだ。 まず『Neo smartpen dimo ネオスマートペン ディモ 』は、価格が8900円(税込)と、スマートペンのなかでも1万円を切る価格設定となっている。カラーは「ピンク」と「ブラック」の2色展開で、電池式だ。スマートペンを初めて使うというのであれば、値段も含めて選びやすい一品だろう。 『ゲルインキタイプ Neo smartpen A1 ネオスマートペン エイワン』は今年発売された新商品で、サラサラとした書き味が特徴のゲルインキを使用している。こちらは充電式となっており、1度の充電で約90分の使用が可能だ。上質な書き味を求めているのであれば、こちらの方がおすすめである。 アナログがデジタルにつながることで便利なのが、「共有」と「検索」である。アプリ上に保存されたメモはファイル化することによって、ほかのアプリやSNSで投稿することも可能だ。ノートに書いた文字やイラストをわざわざ写真に撮ったり、文字に起こすこともなく相手に送ることができる。 また、テキストはタグ検索もすることができる。手書きでメモをした会議やアイデア出しの「あのときのあれ、なんだっけ……!」というときも、検索することで解決できる。 Nノートはデザインも豊富で、スマートペンを収納できるものなどスタイルもさまざまだ。ビジネスシーンはもちろん、日常のなかでも活用できる機会は多いだろう。 シヤチハタ株式会社からは、オリジナルスタンプを作ることができる『OSMO5050 RiraRiraはんこⓇ』が展示されていた。今回は、消しゴムはんこ作家「RiraRiraはんこ®」とのコラボレーションデザインが設定されている。 『OSMO5050』はテンプレートのデザインだけではなく、手持ちのスマートフォンの写真からもハンコを作ることができる。また、文字やスタンプ、手書きペンなどを使って、プリクラ感覚で落書きやデコレーションをすることができる。 現在は『Sanrio 池袋店』といった商業施設や観光地に設置されているようだ。旅行やイベントなど、そのときにしか作ることのできない思い出の品としてぴったりのアイテムだ。 今年も大盛況となった『文具女子博2024』。今回はスマート文具に注目して紹介したが、テクノロジーの発達とともに、今後もスマート文具は増えていくだろう。 今回見て感じたことは、完全にデジタルに振り切るのではなく、アナログの良さを活かしつつ、デジタル化した方が便利な部分はデジタル化する、ということだ。このバランスが取れている商品は、ユーザーからも長く愛される存在になるのだろう。 新しい文具の始まりを感じた本イベント。来年はどんな出会いが待っているか期待したい。
はるまきもえ