城東マネジャー「一緒に戦えること、すごく光栄」 ノックOKに
日本高校野球連盟と毎日新聞社は1日、18日開幕の第95回記念選抜高校野球大会から、試合前のノックで女子部員がノッカーを務めることを認めると発表した。21世紀枠で選出された城東(徳島)は部員が少なく、女子部員が普段の練習でノッカーをしており、甲子園でもノッカーが務められないかという学校側からの要望に応えた。 【岡田結実さんや小芝風花さんらも…歴代センバツ応援イメージキャラクター】 城東の永野悠菜マネジャー(2年)は、女子部員による甲子園でのノックが認められ、「選手が安心できるよう一球一球に思いを込めて打ちたいと思います。試合に出て勝ちに貢献することはできないけど、ノックという形で選手12人と先生と一緒に戦うことができることが決まり、すごく光栄です」と喜んだ。また、「マネジャーは評価されにくい立場だが、みなさんに認めてもらえる場を設けていただき、感謝の気持ちでいっぱい。自分がやってきたことを甲子園で表現できるように、さらに練習したい」とコメントした。 マネジャー業務の傍ら練習でノッカーも担ってきた。今でこそ慣れた手つきで打球を飛ばすが、野球やソフトボールの経験はない。中学時代は吹奏楽部で、むしろ運動は苦手だった。 永野さんは昨春からノックを始めた。きっかけになったのは、ある部員の一言だった。「今日、一回もノックを受けられなかった」。監督や部長が不在だった練習でノッカーを務めた部員が漏らした言葉が頭から離れなかった。県立進学校で部員は少なく、現在のチームも選手は12人。「打てる余裕があるのは私だけだよな」。悩みながらも覚悟を決めた。 バットの握り方から教わり、新聞紙を丸めたボールを打つ練習から始めた。手のひらにマメを作りながら猛特訓し、今ではポジションごとに打ち分けられるまでになった。 平日は誰よりも早く午前6時に登校する。1時間を勉強に充て、7時からは朝練習でノックを打つ。勉強と部活動の両立に努力を続ける姿勢に選手からの信頼も厚い。 2022年のクリスマスには選手らからノックバットをサプライズで贈られた。「みんなが応援してくれている。期待に応えられるように練習を続けたい」。13人で挑む甲子園はもうすぐだ。【下河辺果歩】