プレミア東西対決はサガン鳥栖U-18が青森山田に完封勝利
シーズン前のフェスティバルとは思えない。そこかしこで繰り広げられる球際の勝負は迫力満点で、公式戦と引けを取らない強度の攻防が続く。そんな一戦を制したのは、サガン鳥栖U-18だった。 【フォトギャラリー】 サガン鳥栖U-18 vs 青森山田 3月16日、サニックス杯国際ユースサッカー大会2024の4日目が福岡県宗像市のグローバルアリーナで行われ、5位~8位トーナメントの1回戦でサガン鳥栖U-18と青森山田が対戦。前者が前半に奪った虎の子の1点を守り切り、17日に行われる5位決定戦に駒を進めた。 EASTとWESTで分かれているとはいえ、互いにU-18高円宮杯プレミアリーグに席を置くチーム同士。インテンシティーに定評がある両雄の対戦は序盤から目が離せない展開になった。 鳥栖U-18は怪我人の影響で本職がボランチの池末徹平(2年)と山﨑遥稀(2年)のコンビをCBに配置するスクランブル体制だったが、高い位置から積極的にプレスを掛けながら中盤の攻防を展開。一方の青森山田は「ウォーミングアップから足りていなかった」と正木昌宣監督が苦言を呈した通り、キックオフ直前に“心”の重要性を説かれてピッチに入ると、勝負にこだわる姿勢を徹底。11人全員が声を出し、コーチングというよりも言い合いに近いような言葉で仲間を鼓舞しながら“らしさ”を示す。ゴールを隠す守備はもちろん、体のぶつけ合いでも負けず、強度の高い守備で相手に付け入る隙を与えなかった。ロングスローも健在で、キャプテンマークを巻いた右SB小沼蒼珠(2年)が飛距離十分のボールをゴール前に放り込み、あわやゴールという場面を作り出す。 一進一退の攻防が続くなか、スコアが動いたのは前半34分だ。FW渡邊翔音(2年)が右サイドを打開すると、ゴール前に折り返す。最後は中央に走り込んできたFW新川志音(1年)が頭で豪快に決めてリードを奪った。 1-0で折り返した後半も互いに譲らず、中盤での潰し合いが頻発。しかし、徐々に青森山田が巻き返していくと、残り20分をきってからはゴール前に押し込む時間帯が続いた。小沼のロングスローとMF山口元幹(2年)のプレースキックからチャンスが生まれ、あと一歩という場面も何度も創出。アディショナルタイムに入ってからCKを得ると、GK上口稜太がゴール前へ。その後のロングスローでも攻撃に加わり、11人全員で同点ゴールを目指した。しかし、鳥栖も集中力を切らさず、得点を許さない。ラストプレーで山口のFKからCB島津亮太(1年)が右足でゴールを狙うが、GK井本航太(2年)が好セーブを見せる。この直後に試合終了のホイッスルが鳴り、1-0で勝利した鳥栖が17日の5位決定戦に駒を進めた。 (文・写真=松尾祐希)