岩田美香(右)に敗れ、呆然自失の安納サオリ

　ベルト流出だ。女子プロレス「スターダム」のワンダー王座戦（22日、東京・国立代々木競技場第二体育館）は、王者の安納サオリ（33）がセンダイガールズ（仙女）の岩田美香（28）に敗れ、王座から陥落した。 【写真】なつぽいにマイクを向けられても、無反応の安納 　ともに2015年デビューの2人は、22年11月と今年2月に仙女のリングで一騎打ち。だが、ともに時間切れドローで決着がついておらず、5月31日仙台大会で王者が自ら挑戦者に指名したのが岩田だった。 　試合は壮絶な削り合いとなった。岩田のハイキックでダウンを喫した王者も、投げっぱなしジャーマン、延髄斬りで反撃するが主導権を握れない。ならばとタンタンドル（変型ネックブリーカーからの押さえ込み）を決めると、挑戦者の後ろ回し蹴りがヒットし、両者ダウンとなる。 　その後もカウンターのハイキック、カカト落とし、ランニングニーの波状攻撃をくらった王者は防戦一方。最後は顔面蹴り2発から雷音（変型パイルドライバー）を浴び、ついに3カウントを許した。 　フリーの選手や外国人選手が巻いたことがある同王座だが、他団体所属選手に流出するのは初。岩田から「おい、決着がついちまったよ。でも、安納サオリのわがまま、これじゃゴールできないだろ？」と再戦を呼びかけられが、ベルトを失った安納は放心状態。セコンドのなつぽいがマイクを渡しても、言葉を発することができなかった。 　岩田からは7月15日の仙女・後楽園大会でV1戦を開催することを予告され「わかってんだろ？　待ってるからな」と再度返答を求められたが、安納は無言のままリングを後に。ベルトを失った絶対不屈彼女は、再び宿敵の前に立てるのか。