「ボーッと見るだけでストレスが消える」公認心理師が教える驚きのトラウマ解消法
一点をボーッと見るだけで過去のトラウマを克服できる、米国発のメンタル・ケア手法「BSP(ブレインスポッティング)」。日常よくあるストレスによって受けた心の傷であれば、このBSPを使って一人で癒すことが可能です。そんな画期的なセルフケア「セルフ・スポッティング」の方法を、著書『一点をボーッと見るだけ! 脳からトラウマを消す技術』(講談社刊)から抜粋して紹介します。 【画像】死刑囚が「アイマスク」をするヤバすぎる理由 前編記事『たった1回で身も心も軽快に! 「死にたい」と思い詰めた会社員を救った驚きのカウンセリング』より続く。
BSPは「一点を見続ける」だけの簡単なテクニック
さて、BSPのセッションをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。カウンセラーが行っていたのは、次の3つだけに見えたと思います。 •クライエントと解決したい問題について話す •指示棒を使って一点を見続けてもらう •クライエントの様子を見ながら、ときどき言葉をかける いっぽうクライエントのほうはといえば、指示棒の先を見続けただけでした。たったこれだけでトラウマは克服できるのです。以下、BSPの特徴も合わせてご覧ください。 ●やることは「一点を見続ける」 ある一点(スポット)を見続けることで、トラウマからの回復が促されます(※その理由については、前回の記事を参照)。なお、「見る」といっても、重要なのは眼球を動かさず、視点を一定の場所に固定しておくことです。何を見ているかはあまり重要ではありません。 ●「見る場所」を決める作業が必要 どこを見ればいいかは、人により、その人の状態などにより異なります。また、複数のトラウマを抱えた人もいますが、どのトラウマを扱うかによっても、見るべきスポットは変わってきます。そのスポットは、カウンセラーが指示棒を使って見つけて指定することもあれば、クライエントの感覚で決まることもあります。 ●とても柔軟な手法 BSPは、大まかな段取りは決まっていますが、そのあとはクライエントの状態に合わせて、さまざまな調整を加えられます。たとえば中山さんの例で見たように、目を閉じて行うこともできます。BSPで重要なのは眼球の位置であり、「何を見ているか」ではないからです。 ●無理に思い出す必要はない 過去のつらい記憶(トラウマ記憶)を思い出していくことで克服を目指すトラウマの治療法もありますが、BSPでは必ずしも思い出す必要はありません。身体に感じる感覚を意識しながら一点を見るだけでも、効果が期待できます。