「支援を断られても、もう一度声をかけて」 京アニ遺族、青森市で講演 被害者支援の重要性訴え
「犯罪被害者等支援県民フォーラム」が14日、青森市の県民福祉プラザで開かれた。2019年7月に起きた京都アニメーション放火殺人事件で犠牲になった渡邊美希子さん=当時(35)=の兄・勇さん(45)と母・達子さん(74)が講演。勇さんは「(被害者から支援を)断られても様子を見て、もう一声かけてあげてほしい」なとど、犯罪被害者遺族の立場から支援の重要性を訴えた。 フォーラムは県被害者支援連絡協議会とあおもり被害者支援センターが主催。約250人が来場した。 漫画やゲームが好きだった勇さんは、事件後、自分の影響で美希子さんがアニメの道に進んだのではないかと自らを責めたことを告白。初めは、自分が崩れているかもしれないと認めたくない-という思いで、カウンセリングを断っていたが、体調不良を機に受けることを決めたという。 達子さんは持病の耳鳴りを再発するなど、悲しみに暮れていたところにカウンセリングを紹介された。「自分のペースで思いをさらけ出すことで、自分の中で気持ちを整理できた」と振り返りつつ、「みんなが生きやすい世の中は、社会や政治がつくるもの。こんな事件が起こらないような世の中になってほしい」と願った。