“二刀流”女優・藤間爽子 ドラマ初主演 家元「三代目藤間紫」日本舞踊家「撮影も楽しくて楽しくて」
女優の藤間爽子(さわこ=30)が、ドラマ初主演することが3日、分かった。大阪・読売テレビ「つづ井さん」(10月10日スタート、木曜、深夜0・59)で、主人公のオタク女子・つづ井さんを演じる。日本舞踊家として紫派藤間流の家元、三代目藤間紫の名を持ち、二刀流の道を歩む俊英が、女優としても大役を掴んだ。 【写真】「つづ井さん」原作の書影 華麗なる芸能一家に生まれた藤間は、日本舞踊の人間国宝・二世藤間勘祖を祖父に持ち、祖母の初世家元藤間紫に師事。7歳で初舞台を踏んだ。早くから踊りの才を認められ、祖母の死後は二代目藤間紫となった歌舞伎役者の二代目市川猿翁に習い、21年に三代目を襲名。家元となっている。 一方、大学卒業後には、女優との二足のわらじで活躍した祖母と同じ道を目指し、本名の「爽子」名義で女優業に進出。2017年のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」で、オーディションを経て女優デビューを果たした。劇団「阿佐ヶ谷スパイダース」に入団した際もオーディション。エリート日本舞踊家であり、たたき上げの女優という異色の経歴の持ち主だ。 ドラマ「silent」(22年放送)ではヒロインの親友役を好演し、朝ドラ「ブギウギ」(23年)でもヒロインの幼なじみ役と、主人公に寄り添う役柄で存在感を発揮。今年だけで「アイミタガイ」(11月1日公開)など4本の出演映画が公開される売れっ子ぶりだ。 満を持しての初主演に、藤間は「撮影も毎日楽しくて楽しくて仕方がありません!大人であることを忘れて、みんなと筋肉痛になるくらい真剣に遊んでいます」と現場を満喫。プロデューサーの田渕草人氏は「鼻の穴にイヤフォンを突っ込んでの熱演は感動の一言でした。あと、日本舞踊仕込みの体幹の強さは相撲最強のつづ井さんにぴったりだなとも思いました」と絶賛している。 今作は、人気エッセイシリーズを原作に、愉快な仲間たちと推し活ライフを過ごすヒロインの姿をコミカルに描く。原作はフリーアナウンサー・宇垣美里やお笑いトリオ・ぼる塾の田辺智加らがファンを公言している人気作で、振り切った演技が注目される。 ◇藤間爽子(ふじま・さわこ)1994年8月3日生まれ。東京都出身。祖父は藤間流宗家の人間国宝・二世藤間勘祖。祖母は紫派藤間流の初世家元藤間紫。初世紫はのちに二代目市川猿翁と再婚。両親はともに元俳優。兄は元ジュニア(旧ジャニーズJr.)で紫派藤間流師範の初世藤間翔。主な出演作はNHK連続テレビ小説「ひよっこ」「ちむどんどん」「ブギウギ」やドラマ「マイファミリー」、映画「九十歳。何がめでたい」など。