カスハラ客の多くが“やり過ぎ”と自覚か…実際に店から相談受けた弁護士の対応と助言「第三者が入って毅然と」
しかし、客は「それでもやってくれ」と依頼したためクリーニングした結果、シミが残り、シワや糸のほつれなども出たということです。 これに男性客は「買ったばかりであまり履いていない靴だから、新品の代金を弁償しろ」と何度も電話をしたり、店にやってきたりするようになりました。そして「態度が悪い」「誠意がない」などと別のクレームにまで発展し、店が牧野弁護士に相談したということです。
こうしたケースでは、まず相手に対し「主張の内容と要求内容を明確にしてほしい」といった趣旨の電話か「内容証明」を送ります。 その上で、相手から具体的な主張や要求を聞いて、要求がのめる、のめないといった「法的な回答」を行います。 それでも相手が納得せず話が進まない場合は交渉を打ち切り、相談者が訴訟を起こすかどうか決めるという流れになるということです。
このクリーニング店のケースでは、牧野弁護士が相手に電話を一回した後、一切連絡がなく、店にも来なくなり、解決しました。
■弁護士に依頼した場合の費用やメリットは
牧野弁護士は「カスハラ客の多くは『自分がやりすぎている、悪いことをしている』という自覚があるのではないか。第三者が入って毅然とした態度をとることで、自らの身を守るため、引くケースがほとんど」としています。
弁護士費用については、電話や内容証明などの段階で解決すれば、一般的には10~20万円ほどということです。
牧野弁護士は「店の人だけで悩むより、第三者が出た方が相手も冷静になりやすく、解決の可能性が出る。そのひとつとして弁護士に相談するのも有効ではないか」としています。 2024年6月14日放送