子どもの水遊び「浮き具あれば安心」という誤解 逆向き使用で〝凶器〟に 心肺停止で救急搬送や死亡事故も
子どもはすぐ、静かに溺れる
同庁はこうした商品を正しく使用するために、以下のようなポイントがあるとしています。 ・アームリング付き浮き具はライフジャケットとは異なり、命を守るためのものではないことを理解した上で正しく使用する。 ・水遊びの際は必ず保護者(監督者)も子どもと一緒に水に入り、万が一の場合に備え、すぐに手を差し伸べられるように寄り添う。 ・アームリング付き浮き具は、着用の向きやベルト等の緩みによって溺水の危険が高まり、命にかかわるため、必ず正しい向きを確認し、浮力体が身体に密着するように正しく着用する。 ・アームリング付き浮き具は、海や川などの自然領域での使用には適さないため、海や川などの自然領域では、子どもの身体に適したサイズのライフジャケットを正しく着用する。 また、23年4月には富山県のフィットネスクラブのプールで、5歳の男児が腰に浮き具をつけていたにもかかわらず、亡くなる事故が発生しています。 この事故では、男児が水中に飛び込んだ際に浮具が外れ、すぐに沈んでしまったといいます。浮き具が外れる想定ができておらず、また、プールの監視体制が不十分だったことなどが原因とされました。 浮き具をつけた子どもの事故について、公益財団法人日本ライフセービング協会の松本貴行副理事長は、国民生活センターの発表に寄せて、以下のようにコメントしています。 「人が溺れるときには、口に水が入るなどして声が出せなかったり、音を立てたりすることもなく『人は静かに溺れる』と言われています。保護者(監督者)は、何かあった場合はすぐに子どもに近づける距離で、よく観察をしましょう」