「福証単独上場」の農薬専業メーカー、株価急騰劇の背景
四季報オンライン
福岡証券取引所に単独上場する26社の1つ、鹿児島市に本社と工場があるサンケイ化学(4995)の株価が先週10月7日に急伸した。当社は沖縄を含む南九州を地盤とする農薬専業メーカー。7日の取引時間中の午後2時00分に今2021年11月期第3四半期(20年12月~21年8月)決算を発表したところ、株価は前日比300円(25.3%)ストップ高の1482円へと急騰し、取引終了。営業利益が前年同期比2.5倍の4億4100万円と急拡大したからだ。 翌8日は一時1680円をつけるなど買い進まれたが、後場は吹き値売りで前日比18円高にとどまるなど上げ渋った。明くる11日は膠着気味で推移したものの、12日は一部の手仕舞い売りで1300円台へと大幅反落した。 当社は東京証券取引所に上場しておらず、普段は出来高が僅少、値動きは乏しい。だが、3カ月前の7月12日に今第2四半期(20年12月~21年5月)決算を発表した際も株価が急反発。第2四半期累計の営業利益が3億4600万円(前年同期比70.2%増)と期初計画の2億1000万円を大幅に上回ったことで人気化し、今回の株価急騰の伏線となった。短期的な株価変動で利ザヤ稼ぎを狙う目先筋が、割安放置株として物色の矛先を向けているもようだ。 通期決算発表は2022年1月中旬を予定している。新年相場で、二度あることは三度あるのだろうか。
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古庄 英一