雑草抑制「アイガモロボ」実証試験開始 福島県郡山市田村町 従来機と新型比較
雑草の成長を抑えるロボット「アイガモロボ」の実証試験は、福島県の中通りで初めて郡山市田村町の仁井田本家の水田で始まった。販売中の従来機と新型機を使い、雑草抑制効果やバッテリー充放電性能を比較する。 市と東北大未来科学技術共同研究センターの連携協定に基づく取り組み。市が仁井田本家に協力を依頼した。ロボを開発したNEWGREEN(東京都)と、東北大発のベンチャー企業「I・D・F」が携わっている。 アイガモロボは田植え後の水田に浮かべ、スクリューで土を巻き上げながら移動する。水を濁らせて太陽光を遮り、雑草が生えにくくする。従来機は東北大が開発したマンガン酸リチウムイオン電池を搭載している。中山間地向けに小型化した新型機は市販のリチウムイオン電池で動かし、収量や稼働率を従来機と比べる。 NEWGREENの中村哲也副社長は「コストが下がれば中山間地でも利益を出せる。田園風景を次世代に受け継ぎたい」と語った。仁井田本家の18代蔵元で杜氏(とうじ)の仁井田穏彦さんは「人の負担が減れば有機農業に取り組む県内の農家も増え、環境美化にもつながる」と期待した。
(郡山版)