「毎日泣いていました」 あの夏から4年、女性リーダーが準備してきた準硬式らしい夢舞台<準硬式・甲子園大会>
第1回は雨で中止。そして第2回は無事に成功した中で迎えた第3回。多くの参加者の声を聞くと、準硬式からでも甲子園を目指せる、という流れが定着し始めていた。鈴置さんはこの流れが「結構いいのかなって思っています」と語ると、その理由をこのように話した。 「当たり前になるくらい認められてきたってことだとも思うんです。だから記念大会で1回だけとか、特別に甲子園でやりますというよりも、準硬式の魅力の1つとして甲子園を目指せる場所として根付かせていく。準硬式が今後も続いていくのと同じで、甲子園大会が他の大会と同じくらい続いて、当たり前になっていいんじゃないかと思います」 とはいえ、甲子園大会は2022年から始まったが、その動き出しはかなりの期間を費やしている。決して簡単に開催できるものではない。他にはない特別なものであることは間違いない。鈴置さんもその点について十分理解している。 「選手1人1人にとって価値を感じてもらうには、東西の垣根を超えた交流。またキャリガイダンスは、他の大会だと実施出来ないです。そういった野球がうまいから甲子園に行けるではなくて、文武両道でやると言った準硬式らしい3日間を過ごすこと。球場への特別感とともに、3日間全てに特別感を与えることが大事になると思います」 今大会から三機サービスが大会スポンサーになった。そういった方々との交流の場を増やすための打ち合わせ、連絡は頻繁に取り合ったそうで、「多ければLINEの通知は100件を超えていましたね」と振り返る。 他にもOB選手への取材やラジオへの出演など、広報活動も積極的に取り組んだ。綿密に準備を続けてきたことで、今回も甲子園大会が実現したのだ。だからこそ、リーダーとして奮闘した鈴置さんは「達成感が強いです」と充実感に満ち溢れているのだ。 最後に「『現状維持は退化』という言葉が好きなんですよね」と鈴置さんは語った。高校時代の監督が、よく話していたのがきっかけとのことだが、この言葉があったから「今までやってきたことを引き継ぎながら、プラスアルファをしないと、プロジェクトリーダーで良かったという大会にならない」と常に危機感をもってして、新しいことは考え続けられたという。 高校時代に届かなかった甲子園。その時の悔しさを晴らすのはもちろん、リーダーとして迎える甲子園はどんな景色なのか。最高の景色が見られることを当日心待ちにしたい。