GAKU-MC、25周年記念の10作目のアルバムにKURO(HOME MADE家族)が迫る! スペシャル対談企画
――この4年間で世界はだいぶ変化しましたが、どのように受け止めて過ごされましたか。記事によるとスランプにもなったとか。 一番変化したね。なんならこの25周年で一番ね。曲が思うようにできねぇなって。コロナ禍になり、ライブもできません、不要不急と言われて。存在価値とか、ミュージシャンという職業を選択して良かったんだっけって。一回、救急車に運ばれたしね。原因不明で。朝起きたら、もう「うぅ」って、こう動けなくて。緊急事態宣言入って直後くらいかな。 ――え、原因不明で? そう。ストレスですって言われて。ストレスでこんなことなんの? みたいな。ずっと健康優良児を絵に描いたような生き方をしてきたからさ。そのあと半年くらいフラフラしてたもんね。真っ直ぐ歩けなくて。今は大丈夫だけど。 ――そんな状態から最初にギターを持って作った曲はどれになるんですか? 「晴れたらみんなで」かな。ダイレクトに緊急事態宣言のときに作ってたから。これなんか自分の中ではすごいエモーショナルな曲になってますね。 ――いいミュージックビデオですよね。 うん。本田(圭佑)くんやら中村憲剛くんやら、みんなが動画くれてね。今、これの続編も作っていてね。 ――コロナ禍であっても、キャンピングカーでツアー回ったりとか、それを曲にしちゃったり、僕の中では落ちているGAKUさんが想像できないのですが。この踏ん張りの強さというのは、元々あったんですか? ピンチはチャンスにすべしっていうのは、わりと好きではあるかな。この「骨 ~ピンチこそがチャンス~」っていう曲もね、まさにそんな感じの曲。骨折して骨の写真でTシャツ作ったんだけどさ、めちゃくちゃ売れたんだよ(笑)。 ――「BoneでReborn」っていうフレーズもいいですね。個人的に「僕は忘れない」がすごく好きなんですが、どのように制作されたのですか? これはJ-WAVEで一年間被災地を巡る番組をやったんですね。いろんな人たちに毎回インタビューして。被災地のみなさんに比べたら自分たちは恵まれてるなって気持ちにもなって。番組が終わるときに次のMCがゴスペラーズの北山くんだったから。今回一年通して思った気持ちを曲にして、北山くんにパスしたいなって思って書き始めたんだけれど。そうしたら、今年の元日に家族と長野でスキーをしてたら揺れにあって。それが能登の地震で。わりと近いところだったから、結構揺れて。「あ、これはあの曲をちゃんと昇華させなきゃいけない」みたいな気持ちになって仕上げたって感じですかね。 ――YoYoが「それでも日々は続く session with YoYo the “Pianoman”」で素敵な仕事をしていますね。 これは前作に入っていたバージョンを、YoYoのライブでやることになったときに「ちょっとアレンジしていいですか?」って言われて、「どうぞどうぞ」と言ったら、こういう感じになって返ってきたわけ。「うわ、すごいな」って思って。それでアルバムを作っているときに「あのバージョン入れてもいい?」って言ったら「やりましょう!」って言ってくれて。それでレコーディングしたの。 ――今回、セカイイチの岩崎さんとも初タッグを組まれて、結構ダメ出しもされたとか。 そうなの。元々僕がファンだったんですけど。一緒にやれたらなと思ってオファーを出して。こっちはお客さんとのコール&レスポンスやサビの調和みたいなところは、自分の得意分野だと思っていたから、提案したら「これ違いますね」って(笑)。「ええー! そう?」って(笑)。何回もキャッチボールして、久しぶりに若者にダメ出しされながら制作しました。 ――それが「Under the same sky」ですね。GAKUさんって、曲を作るときに届けたい層とか、届けたい相手って浮かぶんですか? うん。もうこの人! みたいな感じでやっているときがわりと多い。たくさんの人に届けたいときに、たくさんの人の顔を想像するとボヤけんだよね。結果、ひとりのために書いたラブレターの方が、ちゃんと届く。 ――「いますぐにまっすぐに」も大好きです。 これは小説家の原田マハさんに影響されて。『本日は、お日柄もよく』っていう本があるんだけど。スピーチライターの人が主役の。すごく良くてね。「いますぐにまっすぐに」が大切なシーンに出てくるのね。「ああ、これいいな」って思って。それでどうにか曲にしたいからって、ラジオのゲストに出てもらって仲良くなって。「これ、曲にしてもいいですか?」って。 ――行動力がすごいですね(笑)。ところで、GAKUさんにとって東田(トモヒロ)さんってどういう存在なんですか? 俺よりちょい年下なんだけど、もう圧倒的に自由な人で憧れの人って感じ。自由が服着てます、みたいな(笑)。ハイエースに楽器全部詰め込んで、日本中どこまででも車で行って、行った先でボラ~ンってライブして、その辺の海に入ると、みんな「トモヒロさん、こんにちは!」みたいな感じになっているわけ。かっこいいなって。