"テレビタレント”中山秀征が著書に込めた決意表明「僕はテレビの可能性を諦めていない」
「私はテレビタレントです」って堂々と名乗り出ることにした
今、関西勢の芸人スタイルというのは、やっぱりダウンタウン以降に作られたものだと僕は思っている。要するに板(舞台)をベースにしたものですよね。一方で関東の場合は、ストリップ劇場が拠点。浅草・フランス座が舞台になったドラマ『浅草キッド』(Netflix)を観てもわかるように、たけしさんは欽ちゃん(萩本欽一)の背中を見て育ったわけで。 僕は関東出身だけど、芸人ではない。では、何者なのか? テレビタレントです。そのことを、このタイミングではっきりさせておきたかった。今はテレビがつまらなくなったとか衰退していると指摘されているけど、だったら「私はテレビタレントです」って堂々と名乗り出ることにしたんです。つまり、一種の決意表明ですよ。 テレビタレントとは、テレビを主軸とした商いを行う存在。僕から言わせれば、本人がどんな肩書を名乗っていようが、テレビに出ている時点で全員がテレビタレントなんです。だけどテレビの弱体化が叫ばれる中で、テレビという言葉を使いたくなくなっているんでしょうね。そんなに嫌だったら、テレビに出ること自体を辞めればいいって自分なんかは思うんですけど。 ひとつ確実に言えることは、テレビを実際に作っている人が「テレビはつまらない」と言ってはいけないですよ。もし本当につまらないのなら、プロなんだからどうにかして面白くしていかないとダメでしょう。テレビの中で何ができるのか、そこを追求していかなくちゃいけない。少なくても僕はテレビの可能性を諦めていないですけどね。
小野田 衛