プライベートエクイティー、コベナンツ利用は賢明-マラソンCEO
(ブルームバーグ): プライベートエクイティー投資会社が経営難に陥っている投資先企業に新たな資金を調達させるために、融資契約の脆弱(ぜいじゃく)性を利用することは賢明だと、マラソン・アセット・マネジメントのブルース・リチャーズ最高経営責任者(CEO)が17日のブルームバーグテレビジョンの番組で語った。
破産はコストのかかるプロセスで、プライベートエクイティー投資会社はさまざまな方法これを遅らせようとする。最も成功したケースでは破産を回避できることもある。その手段が、ライアビリティーマネジメント(負債管理)と呼ばれる資金調達方法を用いることだ。この取引は、既存の債権者の一部を犠牲にすることで、経営難に陥っている企業に新たな資金を提供する。
リスクの高い融資債権に投資する投資家にとってしばしば不満の種となる手法だが、リチャーズ氏によれば企業を破産に追い込むよりはよい。新たな負債を抱えながらも成長するチャンスを企業に与えるからだと同氏は説明。マラソンはこのような状況で融資を行うことをいとわないクレジット投資家の1社だと述べた。
債権者に幾らかの負担を強いる方が破綻よりずっとよいと言うリチャーズ氏は、シンジケートローンの90%は融資契約が脆弱な「コベナンツライト」であるため、企業は資産を別会社に移管してそれを担保に借り入れを行うことができると説明した。
ブルームバーグが先週報じたところによると、世界最大のプライベートエクイティー投資会社50社の投資先企業の債務で不良債権化している額は、3月半ば以降に18%増加し427億ドル(約6兆7000億円)に達した。
原題:PE Firms Smart to Exploit Weak Debt Covenants, Marathon CEO Says(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Samantha Stewart