J2清水 反町康治新GM「強いエスパルス」の再建を宣言…「盤石の体制を整えたい」
J2清水エスパルスは1日、三保で反町康治新ゼネラルマネジャー(GM、60)の就任会見を開催した。北京五輪代表監督、日本サッカー協会技術委員長を歴任するなど豊富な経験を誇る新たな編成トップは「強いエスパルス」の再建を宣言。秋葉忠宏監督(48)を下から支え、常勝軍団への道筋を描く構えだ。チームは次節・栃木戦(3日、アイスタ)に向け一部非公開調整。FW北川航也(27)が4戦連発に意欲を見せた。 *** ■秋葉監督再タッグ 胸に使命感を秘め、言葉を紡いだ。11社21人が集まった就任会見。清水・反町新GMは「エスパルスはJ1にいるのが望ましい。トップは当然、アカデミーも含め基盤をつくり、強いエスパルスをつくり上げることが大きなミッションになる」と声を大にした。 Jクラブでは監督として新潟、湘南、松本をJ1昇格に導いた。サッカー協会では08年北京五輪で指揮を執り、20年から今春までは技術委員長として手腕を振るってきた。「色んな経験をさせてもらった。多く披露してチーム力向上に貢献できれば」。クラブでのGM職は自身初。清水は育成型の方針を掲げており、中長期的目線が必須なことも理解している。「(スペイン・マジョルカに練習参加中の)郡司(璃空)のように修業を積む、刺激を入れることは必要。積極的に取り入れていく」とうなずいた。 タッグを組む秋葉監督は新潟時代、監督と主将として接した間柄だ。「選手のポテンシャルを生かし、どの試合も平均以上のパフォーマンスを出している」と首位を走るチームを評価。その上で「誰かが抜けて力が落ちないよう何人か獲得する可能性もある。監督と相談し盤石の体制を整えたい」と補強を含めたサポートを約束した。指揮官も「多角的に物事を見る目を持っている方。チーームに還元してもらい、代表や海外にはばたく選手がでるようにしたい」と呼応した。 清水で過ごすのは清水東高卒業以来という。「ポルトガル語で言うとサウダージ(郷愁)。ここで育って今の自分がある。清水のサッカーに貢献することも含めサウダージな心境でいます」。覚悟を持ってオレンジ軍団を再びJ1にはばたかせる。 (武藤 瑞基) ■反町GMに聞く ―どういうチームづくりをしていく? 「スタッフ、選手が気持ち良く仕事できる環境づくり。試合に向かう食事など環境を整えていく」 ―清水らしいサッカーとは? 「選手が明るく楽しくボールに関わる。そこは忘れずやっていく。サッカーだけやっていればいいわけじゃなく、今は社会性が問われる時代。そういう教育も大事にしていかないと」 ―今後のサッカーの普及については? 「今スポーツニュースは大谷一色。サッカーが一番に、エスパルスの名前が最初に出てくるような活動になれば子どもたちも足を踏み入れるんじゃないか」 ―昇格に向けて一番重要なことは? 「人生と同じでいい時も悪い時もある。選手、スタッフ、職員がワンファミリーになって突き進むしかない」 *** 〇…清水は大熊前GMが昨年末に退任。山室晋也社長(64)は「(強化部の)経験不足は否めない。タイミングがあっていい人材がいれば招へいする考えがあった」と、昨年12月から反町氏に接触していたことを明かした。同氏の技術委員長の残務整理にメドが付いたことなどから5月からのGM就任が可能に。「人材育成も含め委ねたい」と手腕に期待を寄せた。 ■あす栃木戦 絶好調エースがゴールデンウィークのアイスタを沸かせる。直近3戦連発の清水・北川は「先制点、早い段階での得点が大事になる」ときっぱり。J1だった18年10月以来、6年ぶりの4試合連続弾で流れを呼び込む構えを示した。 チームは5戦負けなし(4勝1分け)で首位をキープ。自身もここまでリーグ3位に並ぶ6ゴールを挙げて存在感を見せている。「周囲のサポートが速いからいい攻撃につながっている」と手応えを口にする。秋葉監督も「年間を通じてハイパフォーマンスを続けてほしい」と頼れるエースに信頼を寄せる。 栃木は16位。この先、最下位・群馬、15位・鹿児島と下位相手が続くがチーム内に油断するムードはない。「どことやろうと簡単に済むわけがない。そういった自覚は全員にある」と表情を引き締める。相手はゴール前でブロックを固めてくることも予想される。「幅を使ってボールを動かす。多少強引に行くことも、セットプレーでの得点も大事になる」とイメージを描いた。16年以来8年ぶりの5連勝に導く一撃を放り込み、首位の座をガッチリ固める。 (武藤 瑞基)
報知新聞社