新千歳空港国際定期便 24年夏期はコロナ前の4割減 戻らぬ中国本土便 地上業務の人手不足も影響
【千歳】新千歳空港に2024年夏期(3月31日~10月26日)に就航する国際定期便が新型コロナウイルス禍前の19年夏期と比べ約4割少ない1週間当たり135便にとどまることが、国土交通省の集計で分かった。中国本土便が大幅に落ち込んだまま回復していないことに加え、航空機の誘導や手荷物の預かりといった地上支援業務(グランドハンドリング)の人手不足も影響した。コロナ禍に伴う行動制限がなくなり、円安もインバウンド(訪日客)を取り込む追い風となっているが、道内の玄関口となる新千歳空港は全国平均と比べても回復が遅れている。 【表】新千歳空港の国際定期便の推移 国交省が運航を認可した国際定期便を集計した。全国の24年夏期の国際定期便は計4874便で、19年夏期と比べると約1割減の水準まで回復した。韓国便が日韓関係の改善や円安の影響で好調だという。 新千歳空港の24年夏期の国際定期便も韓国や台湾便が回復した影響で、23年夏期と比べると約5割増加した。 ただ、中国本土便はコロナ禍前の20年1月が1週間当たり10都市142便だったのに対し、現在は3都市42便(4月1日現在)と約7割減少した。中国経済の減速に加え、中国人の旅行先が多様化したことが響き、中国政府が昨年8月に日本への団体旅行を解禁して以降も回復の勢いは弱いままだ。道内からの海外旅行も低調で、ハワイ、オーストラリア便は再開していない。 コロナ禍の減便で離職者が相次いだグランドハンドリングの人手不足も国際定期便回復の足かせとなっている。 航空各社は昨年から国際線の運航を本格的に再開したものの、新千歳空港では手荷物の預かりや航空機の給油、保安検査、清掃など幅広い分野で人手の確保が追いつかず、「1~2割ほど人員が足りない」(道航空課)状態が続いているという。