あなたの旅をミュージックビデオに 浜松、AIで動画作成サービス
【静岡】お気に入りの写真をアップして、旅先での思い出を入力すれば自分だけのミュージックビデオができあがり――。「浜松・浜名湖ツーリズムビューロー」が1日、そんなサービスを始めた。SNSでの動画発信を期待するほか、知られざる魅力や撮影スポットの発掘にもつなげたいという。 【写真】生成AIを使って自動でつくられる「はままつオトミヤゲ」の一例=浜松・浜名湖ツーリズムビューロー提供 楽器メーカーが集まる音楽の街にちなんで「はままつオトミヤゲ」と名付けた無料サービス。広告大手の博報堂系企業と組んで開発した。1カ月の期間限定で、JR浜松駅の新幹線改札口の向かいにある観光インフォメーションセンターに、特設ブースを設けた。 備え付けのタブレット端末で、まず、どちらにお住まいですか、旅の目的は、といった質問に答える。スマートフォンから写真を3枚取り込み、それぞれの撮影場所や思い出を入力すれば完了。 生成AIが、写真の雰囲気などもふまえて歌詞をつくり、合成音声が写真や音楽にあわせて読み上げる格好のショート動画が2~3分でできあがる。スマホなどにダウンロードして保存でき、英語、中国語にも対応する。 浜松市によると、ビジネス客も含めた同市の「観光交流客数」は1750万人(2023年度)。コロナの影響が目立たなかった19年度の9割にとどまる。宿泊した外国人は11万人あまりで、3割までしか回復していない。 期待を寄せるのがSNSだ。自分でつかんだウナギを調理してもらって味わったり、染め物体験をしたりといった投稿がきっかけで、予約が取りづらくなるほどの人気になった例もあるという。 外国人観光客にとって浜松地域は、関西と東京を結ぶ「ゴールデンルート」上にありながら、今は泊まるだけで素通りされがちだという。SNSの発信を、ゆっくりと観光を楽しんでもらえる魅力を伝える手段にしたい考えだ。 また、通常のアンケートではくみとりづらい旅行者の気持ちを知ることもできそうだという。ミュージックビデオづくりならば、自分なりの言葉で感想や魅力を語ってもらいやすいと見込む。 ツーリズムビューローの和田佳菜子さんは「ありのままの言葉で浜松や浜名湖の魅力を入力してほしい。きっと我々にも発見があるはずです」と話す。(青田秀樹)
朝日新聞社