「吉田羊さんに圧倒されました」『光る君へ』一条天皇役・塩野瑛久 “孤独”な撮影のおかげで得た気づき
アレンジを加え強火で熱したハイロー撮影秘話
では、塩野さんが演技の現場で大事にしていることは何だろうか。 「相手のためを思って芝居をする。そうすることで自分に返ってくるんじゃないかと思います。今回の大河で言うと、定子役の高畑充希さんを立てることに尽きます」 塩野さんと言えば、映画『HiGH&LOW THE WORST』の小田島有剣役で爪痕を残したイメージが大きいが、そのときにも相手のためを思って演じたのだという。 「爪痕を残そうというより、同じ鳳仙学園の頭である上田佐智雄(志尊淳)を立てようと考えました。佐智雄のキャラが最強に見えるためには、僕らが癖のあるキャラを演じることで説得力が増す。セリフをどう調理するかは役者次第という現場だったので、アレンジを加え、強火で熱して出来上がったのが小田島有剣なんです」 緊張感ある仕事に取り組む中で、自身のメンタルのケアはどのようにしているのだろうか。 「考え方、物事の捉え方、転換の仕方でコントロールできるようになりました。もともとあんまりぶれないタイプで、友達からは、悩んでいるところを見たことがないと言われたことも。実際、自分で論理的に解決してしまうことがほとんどですね。本当は相談したほうがいいのかもしれないけど、だいたいは、自分で答えを見つけた上で友達に話して、背中を押してもらうことが多いです。でも、悩みを聞いてあげることも多くて、そんなときはやっぱり素直に思ったことを伝えます」 塩野瑛久(しおの・あきひさ) 1995年東京都生まれ。劇団EXILEのメンバー。主な出演作に映画『HiGH&LOW THE WORST X』や、ドラマ『ブラックファミリア』、『天狗の台所』など。Vシネクスト『キングオージャーVSキョウリュウジャー』が4月26日より全国で期間限定上映予定。 衣装クレジット 着物、帯(参考商品)/きものさろん花子 ※表紙と巻頭グラビアに登場したNICHOLASのスペシャルインタビュー、台湾で必ず食べたい豆花や魯肉飯の名店、メイドイン台湾の美しい日用品などが盛りだくさんの「行かなくちゃ、台湾」特集は「CREA」2024年春号でお読みいただけます。
西森路代