「ヨーロッパのサッカーが合っている」 18歳有望株FWの現在地と未来【コラム】
【カメラマンの目】後藤啓介は「個」が問われるベルギーチャレンジリーグに挑戦
「ケイ!」 試合の残り時間が20分となった時、名前を呼ばれたFW後藤啓介はウォーミングアップを止め、ピッチに立つためベンチへと駆け寄って行った。 【写真】「美人すぎん?」「誰?」 日本代表FWの隣に“美女”と話題の1枚 話は少し遡る。今年2月に鹿児島で行われていたJ1ジュビロ磐田のキャンプを取材した際に、スポーツダイレクターを務める藤田俊哉氏と話をする機会があった。ここで藤田氏が1月にヨーロッパへ行っていたことが話題になり、その目的の1つに磐田からレンタルという形でベルギー1部アンデルレヒトに移籍している後藤の視察があった。 18歳と若くして活躍の場をヨーロッパに求めた後藤の、サッカー選手としてのさらなる飛躍を目指す場所の第一歩は、アンデルレヒトのセカンドチームであるRSCAフューチャーズである。その後藤は2、3年後には頭角を現すことができるかと藤田氏に質問すると、磐田のレジェンドは、1年ちょっとで次のステージに行ける可能性があると高く評価していた。 現代においては、日本人選手がヨーロッパの舞台でプレーすることは、もはや珍しいことではなくなっている。若くして世界への挑戦を決意する選手も少なくない。そのなかでも後藤はまだ18歳と若く、自らもオランダでのプレー経験を持つ藤田氏がその活躍に太鼓判を押している。 それなら後藤のプレーを実際に見てみたいと思い、4月20日にRSCAフューチャーズが参加しているベルギーチャレンジリーグの第30節対クラブNTX(クラブ・ブルージュのセカンドチーム)戦に足を運んだ。 今年1月に加入し、ここまでリーグ6得点を記録している後藤の言葉を借りると、ベルギーリーグは1部が個と組織、2部(チャレンジリーグ)は個だという。 「1部のアンデルレヒトは(個に加え)戦術とコンビネーションがある。2部はウイングがあまり生かされないで1部より粗削り。体格のいいセンターフォワードに(ターゲットマンとして)当てて、中盤が混戦となってそこからゴールが決まる」という後藤の言葉はチェレンジリーグを端的に表現している。