【奈良県K-POPコンサート】「維新」公認、元「朝日新聞」記者の知事が「2億5000万円」投入を決めた“知られざる背景”
山下真知事肝煎りの奈良県「K-POP」無料コンサート開催が大きな話題になっている。16日、奈良県議会に、この事業費のうち約2億5000万円を盛り込んだ予算修正案が提出された。しかし、一夜限りのコンサートにこれだけの費用をかけるべきかとの疑問の声が上がったのだ。予算案は可決され、来年10月にコンサートは開催される見通しだが、今後、さらに物議を醸すのは必至。そしてこれを決めた知事は、何かと話題の「日本維新の会」幹部でもある。 【写真】韓国で歓待された山下知事 ***
このコンサートは、奈良公園内の春日野園地を会場に、来年10月18日に行われる予定だ。奈良県は韓国の忠清南道と友好提携を結んでいる。来年は日韓国交正常化60周年、再来年は友好提携15周年。それを記念し、文化交流イベントの一環としてK-POPアーティストを招き、屋外ライブを開催するというものである。入場料は無料。来場者は同園地の最大収容人数である9000人規模を想定している。事業費は会場設営費など2億7000万円の見込みで、そのうち2億5000万円分が、12月議会に補正予算として提案された。奈良県が運営する国際交流基金から拠出されることになる。
修正案を提出
これが報道されると、費用対効果を疑問視する声が続出。16日の本会議では、「自民党・無所属の会」の5名の議員が修正案を提出する事態となった。その提案理由には、このイベントの問題点が凝縮されている。曰く、 ●一夜限りのイベントに約2億5000万円の財源を投じるに値する効果があるのか。一過性のイベントに終わるのではないのか。9000人の観客は県民に限定されるのかも決まっておらず、県の財源から拠出されるにもかかわらず、県民が便益を得られるとは限らない。 ●奈良県はスイスのベルン州、中国の陝西省など、他の都市とも友好提携を結んでいる。しかし、これらの都市とは交流イベントが予定されていない。本イベント実施の妥当性を欠いているのではないか。 ●県はこれまで、平城宮跡で実施されていた「平城京天平祭」の運営費のうち、約1億3300万円を負担していたが、今年度からそれを止めた。しかし、このイベントはK-POPコンサートと比べ、半分の負担額で、入場者は13倍。単純計算で言えば、26倍の効果がある。両イベントへの県の対応は、合理性を欠いているのではないか。 ●奈良公園に9000人もの来場者が来ると、鹿の餌場が踏み荒らされたり、周辺への騒音被害も予想されたりする。周辺住民などからの理解も得られないのではないか。 16日の議会でこの修正案が提案され、「自民党・無所属の会」から12名が反対するなどしたが、結局、賛成多数で予算案は可決。公金が拠出されることになった。