「後輩が売れても普通に嬉しかった」芸人生活20年でキングオブコント最年長王者になったサルゴリラに悲壮感がない理由
人生がかかった大会のネタ決めで飛び出した衝撃発言
――お互いのここは許してきた、みたいなことはありますか? 児玉:赤羽は本当にさぼり男で、面倒くさがり。キングオブコントのネタを決めるっていう、人生がかかった会議をしたんですよ。ひとつは魚のネタをやることが決まっていて、あとはマジックのネタか催眠術のネタどちらかとなって。 赤羽が最初に言ったのが、マジックのネタは、小道具が多い。荷物が多くて持ち運ぶのが面倒くさいから嫌だって。それを聞いた時は、衝撃で。本当にキレようかと思いましたね。でもキレたら、もうできなくなる。そういう発言を多々許してきました。 赤羽:僕は合理的なんですよね。面白さで言うと、マジックのネタも催眠術のネタも言ったら同じぐらい。じゃあ何で選ぶのって言ったら、荷物の少なさ! 児玉:いやいやいや(笑)。
行けそうでダメだった2022年、心が折れかけた瞬間
――キングオブコントで優勝するまで、結果が出そうで出ないということが続いたそうですね。 児玉:そうですね。特に、2020年からは、「なんか行けそうだ」と言われ始めて、毎年、「今年はサルゴリラだ」って噂になって。 赤羽:毎年、芸人の中で、賞レースで今年は誰が仕上がってる、とか噂になるんです。 児玉:正直、2022年のキングオブコントの準決勝は、もう行ったと思いました。ウケも良かった。毎年ネタのストックがあったんですけど、2022年は全部使い果たしたんです。これで駄目だったら、しんどいと思いました。でも駄目で、「これで駄目か」、みたいな。 赤羽:キングオブコントって、結果をマネージャーが発表するんです。マネージャーがニコニコしながら、受かったノリで、「言っていいですか、言っていいですか」って言うから、こっちも「ちょっと落ち着いてください」とか言ったのに、「ダメでした!」って。 ――そこでどうやって切り替えたんですか? 児玉:全然切り替えられなかったです。消化しきれなかったですね。 ――そこからの、2023年のキングオブコント歴代最年長&過去最高得点優勝はドラマティックですね。 赤羽:準決勝も本当にギリギリで通ったらしくて。 児玉:2023年駄目だったら、本当にきつかったと思います。