子どもを産めなくなり、ハゲになり、デブになり…それでも原千晶を支えた最愛の夫からの言葉
お母さん役「やりたい」
そうした思いから脱するのには、10年近くかかったと思います。自分の中で、本当に咀嚼して咀嚼して飲み込んで、「もう本当に産めないんだ」って、「もう終わり」って思えるようになりました。 46、47歳の頃に、気持ちのモヤモヤが晴れて、今はまったく以前の感情は湧いてきません。不思議なくらい、楽になりました。 最近になって移住したことも一つの大きなタイミングだったと思います。それまでは、自分の病気について向き合っていくことや、がんの啓蒙活動でいっぱいいっぱいでした。ただ、コロナで活動が休止になり、いったん頑張りすぎるのをやめました。すると、ふっと肩の力が抜けた瞬間があったんです。 釣りにもハマって、主人から「もういい加減にしなよ」と言われるくらい、夜中でも釣りに出かけ、帰ってこないことも結構ありました。それほど、急に自分の中で何かが弾けたような感じがありました。 1年前くらいからは、「ちゃんとやらなきゃ」と目が覚めて、自分なりに色々と頑張っているところです。最近は講演会などの仕事がメインになっていて、全国各地を回っています。その先々で釣りに行く感じですね。 俳優やタレントとして、芸能の仕事も継続しています。チャンスがあれば、お母さん役とかをやってみたいです。子どもと向き合うっていうのはどういうことなんだろうって気になります。友達から聞くくらいしかしらないので。仕事を通して、子育てを追体験できる機会があれば素敵だなと思います。
*** 明日配信の 第5回は、原千晶が高校時代に受けたいじめ体験を語る。 原千晶 1974年、北海道生まれ。94年、「クラリオンガール」に選ばれ芸能界デビュー。2011年、「よつばの会」を設立。 デイリー新潮編集部
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