【高校サッカー選手権】静岡学園が浜松開誠館を2-0で退け、2年連続15回目の全国へ
11月16日、第103回全国高校サッカー選手権静岡予選決勝が小笠山総合運動公園エコパスタジアムで行われ、県内3冠を目指す静岡学園が2年ぶりの優勝を狙った浜松開誠館を2-0で退け、2年連続15回目の選手権出場を決めた。 【フォトギャラリー】 浜松開誠館 vs 静岡学園 「例えば1対1の対応だったり、取られた後の切り替えだったりというのを練習の中からできるようになって、それが試合にちゃんとピッチ上で表現できるようになった」と試合後、川口修監督が評価したようにイレブンが大舞台で見事な成長ぶりを見せた。 試合はわずかに雨を肌に感じる中、浜松開誠館ボールでスタート。立ち上がりMF8安藤則斗の個人技からいきなりCKのチャンスを掴む浜松開誠館だったが、ここは静岡学園がしっかりと守って対応する。対する静岡学園は右からMF8神吉俊之介、左からMF11原星也の突破力から徐々にリズムを掴み出す。すると21分、左サイドから原が鋭く入れた縦パスを相手DFがクリアに行くも、このボールが高く跳ね上がりゴール前へルーズになったところをFW13乾皓洋が落ち着いてゴール左隅に流し込み静岡学園が先制する。 勢いに乗る静岡学園は、35分にもMF7天野太陽の左サイドからの折り返しが、DFの裏に流れたボールをDF22望月就王が強烈なミドルシュート。これは浜松開誠館GK1戸塚陸によってセーブ、さらにセカンドボールをMF24篠塚怜音がダイレクトで狙うが、クロスバーに阻まれ追加点とはならない。 後半になっても勢いの止まらない静岡学園。45分にはカウンターから原がドリブルでポケットに侵入、GKと1対1の局面を迎えるが、ここは戸塚がコースを切りゴールを許さない。58分には、神吉からのスルーパスに抜け出した天野がシュートに持ち込むが、ここも戸塚の好セーブに遭い追加点を奪えない。 何とか追いつきたい浜松開誠館は73分、途中出場のFW19高橋成がドリブル突破からシュートに持ち込むが、僅かにポストを超えてしまう。するとアディショナルタイム、浜松開誠館のロングスローからのセカンドボールを奪った天野が、GKの位置を確かめセンターサークルから一気にロングシュート。戸塚も必死にクリアを試みるが無情にもボールはそのままゴールに吸い込まれ万事休す。静岡学園が2-0で浜松開誠館を破り、選手権出場を勝ち取った。 試合後、川口監督は「福島での総体で4試合やれたことで経験が積め、そこから選手たちの基準が変わった。その後プレミアリーグで自分たちが気を抜いたら失点する、チャンスで決めなきゃ勝ち点を取れないという中で揉まれたっていうのが、もう間違いなく大きかった」とチームに大きな成長があったことを明かした。続けて「まだまだこのチームは成熟度が足りないと思っている。(ベストなメンバーではないが)代わりの選手が、今回経験を積んだのでチームの層が厚くなる。もっともっとこれから成熟度を上げて、攻撃的なサッカーをやりたいと思っています」と意気込みを語った。 先制ゴールを挙げ得点王にも輝いた乾は「自分が先制点を取れたので、そこからはうまく自分たちでボールを持てて運べました。今までこう目立つ得点王みたいな賞を取ったことがなかったので嬉しいです」と顔をころばせ「チームが勝ち進む中で、自分が点決めて貢献できれば、得点王も、全国優勝も見えてくると思います」と全国での活躍を誓った。 ダメ押しのゴールで試合を締め括った天野は「入りから自分たちのしたいサッカーができて、良い時間帯に先制点が取れて、自分たちの思うような試合にできました。ゴールを見た時にキーパーが結構出ていたので、思いっきり打ちました」と試合を振り返ると「昨年2回戦で敗れてしまっているので、まず、そこは絶対突破して全国大会で優勝できるように頑張りたいと思います」と全国へ向けての目標を口にした。 (文・写真=西山和広)