子どもが市役所に「実家から通える」という理由で就職したいそうです。親としては自立のために「1人暮らし」したほうがいいのではと思うのですが、大丈夫でしょうか? いくらかお金を入れてもらう予定ではあります
「公務員」は、民間企業の業績や採用状況、景気動向などによって順位が変わることもありますが、親や祖父母が子や孫に就いてほしい職業で常にランキング上位に来るといっても過言ではありません。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能? その一方で、「公務員になれば生涯安泰」というわけではなく、長時間労働が問題視されることも少なくありません。 本記事では、子どもが「地元の市役所に就職したい」と言うケースを想定し、主に親目線で生活していけるのか、自立できるのかを解説します。
地方公務員の実態
市役所の職員といってもさまざまな試験区分が存在するため、今回は一般行政職(事務職)のケースをみていきましょう。 総務省が公表している2022年の地方公務員給与実態調査によると、指定都市(試験採用)の大学卒初任給平均金額は約18万3300円となっています。都道府県や市町村の自治体形態や場所によって具体的な金額は異なりますが、20万円前後で設定されているケースが多いです。 一方で、最近の初任給引き上げのニュースが話題になることもある民間企業の場合はどうなっているのでしょうか。厚生労働省が公表している「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、大学卒の場合は男女合計で23万7300円です。学歴や企業規模、景気動向などによって金額は変わりますが「地方公務員よりも民間企業が初任給は高い」ケースも少なくないと考えられます。 これだけ見ると「公務員が勝ち組といわれる時代は終わり、給料も低いので生活は厳しい」と捉える人もいるかもしれませんが、初任給の金額だけで生活満足度が決まるわけではありません。 例えば、今回のように実家暮らしをすることで効率よく働きながらコツコツ貯金ができる可能性もあります。
実家暮らしのメリット・デメリット
親としては社会人になってからも実家暮らしを続けさせていいのか不安になるケースもあるかもしれません。ただ、実家暮らしにはマンションやアパートを借りて1人暮らしをする場合と異なり、一般的には経済的なゆとりがうまれやすいメリットがあります。 例えば、月額家賃6万円のマンションを契約すると年間で72万円の負担となり、水道光熱費や通信費なども別途発生することも多いです。初任給20万円の場合は、収入の30%以上を固定費として負担しなければならないため、家計への影響も大きいでしょう。その点、実家暮らしの場合は新たな家賃負担が発生しないため、別の支出に充てたり貯金したりできます。 一方でデメリットもあります。1人暮らしの場合に比べて家計に余裕がうまれやすく、家事や料理も親がしてくれると生活力が身につきにくい側面もあるかもしれません。
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