こんなの庶民イジメじゃないか…年収550万円の49歳サラリーマン、税務調査で「年収を超える追徴税」を課されたワケ【税理士の助言】
調査官から告げられた「衝撃の事実」
税務調査官「なるほど、そうでしたか。それは素晴らしい。……うーん、ただ非常に申し上げにくいのですが、それでは生前贈与と認められないですね」 Aさん「えっ? 年間110万円以内ですよ?」 相続税調査の結果、Aさんは年収(550万円)を超える600万円の追徴税を課されてしまったのです。 Aさんは思わず「あんまりだ! ウチのような一般家庭を調査する暇があったら政治家や金持ちを調査しろよ! こんなのただの庶民イジメじゃないか!」と激昂。しかし、結果は覆りません。Aさんは泣く泣く納税するしかありませんでした。
そもそも「贈与」とは?
贈与とは、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾することによって、はじめて成り立ちます。簡単に言えば、「タダであげます」「もらいます」というお互いの意思表示が必要となります。 これは口頭と書面のどちらでもかまいませんが、民法では、書面の契約書による贈与でない場合は、実際にそれを実行しなければ、あとで取り消すことができるとされています。よって、後日税務調査があったときのことを考慮すると、書面による贈与契約書を作成しておいたほうがよいでしょう。 Aさんのケースの問題点 今回のAさんのように、子や孫などに生前贈与を行ったつもりが、贈与とは認められずに追徴税を課されてしまうケースは少なくありません。 今回の問題点は「名義預金」です。名義預金とは、本人とは異なる名義の預金ではあるものの、実質的には本人の預金であると認定されてしまうこと。子や孫の口座を作成し、そこに振り込んでおいたとしても、それを子や孫に知らせていない場合、贈与ではなく名義預金とみなされて相続税の課税対象になってしまいます。 このため、贈与を有効に成立させるには贈与の合意があった事実を客観的に証明しなくてはいけません。受贈者が口座を自由に使えなかったり、口座の存在を知らなかったりした場合、贈与ではなく名義預金とみなされてしまいます。
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