「翔平が怒ってます」「怒らせとけ」栗山英樹監督が日本ハム時代の大谷翔平に言い続けたこと「チームを優勝させてから行け。なぜなら…」
翔平からの質問「僕がどの程度できると…」
ここから2カ月半、翔平はチームを離れますが、その間も「本当に今年が終わったらアメリカに行くのか」と僕は確認していました。翔平は一切、ブレませんでした。 「行きます」と毎回、必ず言っていました。 それくらいの覚悟がないと成功はできないと僕は思っていましたが、大怪我をしているときも、「行きます」はまったく変わりませんでした。チームに戻ってきたのは、オールスター直前の6月でした。そこから、翔平は準備をしていくのです。 翔平についてのドキュメンタリー映画がディズニープラスで配信されましたが、その中で翔平から一つ、僕は質問を受けたのでした。 「監督、僕がどの程度できると思っていましたか?」 実は僕は、もっと活躍することもあり得ると思っていました。ホームラン王だってあり得るし、ピッチャーの勝ち星はもっと伸びると思っていました。ひょっとしたら20勝するかな、くらいに思っていたのです。
「翔平が怒ってます」「怒らせとけ」
ただ、チームが勝てなければ、ピッチャーも勝てない。何試合使うかは本当に難しい問題で、何が正解かはわからないのが前提ですが、勝ち星を増やしたいなら、試合数をコントロールしたほうが、というのが僕の考え方です。でも翔平は、投げたくてしょうがない。ただ、人間は自分のことは、なかなかわからないのです。 2016年にファイターズがリーグ優勝したとき、残り3試合でマジック1という ヒヤヒヤの状況でした。残り2試合で翔平の先発が決まっていたのですが、それ以外でも「出してくれ」と翔平はマネージャーに言っていたようでした。 マネージャーが「翔平が怒ってます」と言うので、僕は「怒らせとけ」と返していました。より良い結果を出すために、休ませなければいけないときは、休ませなければいけないのです。 <続く>
(「Number Ex」栗山英樹 = 文)
【関連記事】
- 【続きを読む】「僕には時間がない」栗山英樹監督が驚いた大谷翔平の発想…外出時の“大谷ルール”は必要なし?「2年目まで翔平は門限を知らなかった」
- 【写真】「まるで兄弟?」大谷アニキの隣でフードを被る由伸がカワイイ!ダルビッシュ先輩と握手でペコリ、ベンチで仲間たちと熱いハイタッチの瞬間も!現地で見た、大谷翔平&山本由伸の【最新版・愛されすぎな日常】を写真で見る。
- 【あわせて読みたい】大谷翔平と山本由伸の“幸福な関係性”…プホルス、トラウトから受け継いだ「頼れる兄貴ぶり」 ロッカーは隣同士、記念日には焼肉店でお祝いも
- 【ダルが語る大谷】「いろんなこと、今はあると思いますけど…」ダルビッシュ有、大谷翔平への思いを語る「大谷くんも結婚されて…すごく明るい感じ」
- 【大谷「そんな人は信用できませんよ」】番記者が“唯一本気で怒られた日”…「節度を持った取材、できているか?」