M-1準優勝のヤーレンズ「ウケるならなんでもいいと思っています」
◇松本さんの言葉が本当にうれしかった ――芸人人生で一番うれしかった言葉ってありますか? 出井:たくさんあるなあ。このコンビを組んで、初めて「面白い」って褒めてくれたのはミルクボーイさんで、それはすごく覚えていますね。 楢原:僕が覚えているのは、やっぱ松本(人志)さんの言葉です。M-1のときに言われた「面白すぎてお客さんが笑い疲れていた」っていうのもうれしかったし、すごく良い表現をしてくれて、ありがたかったです。 出井:たしかにね。 楢原:あとは、サザンオールスターズの桑田さんの言葉もうれしかったですね。僕らを認識してくれたっていうのが本当にうれしくて。桑田さんはお笑い好きを公言しているので、何回かテレビ出て入ればいつかは……なんて思ったけど、まさかこんなに早く届くとは…! 出井:あとは、そうだな……最近だと(千原)ジュニアさんに「このくらいの世代やったら、お前が一番うまいんちゃうか」って言われたのがうれしかったです。 ――楢原さんはネタを作る際のインプットって、どのようにされているのでしょうか? 楢原:なんですかね……昔から映画も漫画もほとんど触れてないんです。 ――え、そうなんですか? 固有名詞のボケが多いので、コンテンツを熱心に追ってらっしゃる方なのかと思っていました。 出井:昔から頭に入っていたものが、そのままぐるぐる回っている感じじゃないかな。 楢原:でも僕、記憶力はそんな良くないですよ(笑)。 ――そうだったんですね。『ラジオの虎』もめちゃめちゃ面白いです。楢原さんって、どんどん記憶を思い出しながら話が展開していく感じがします。 楢原:そうですね。あと、本当に思い出がないんですよ(笑)。学生時代の友達との思い出がないから、しょうもない芸能ニュースが頭に残っているんでしょうね。学生時代の記憶はテレビしかない。逆に言えばテレビが好きなのかな(笑)? ◇自分たちの漫才にしっかりお客さんをつけたい ――多忙のお二人、今日もラジオの生放送出演を終えたばかりですが、何をしているときが楽しいですか? 楢原:僕、仕事以外、本当に何もしてないんですよ。家でビーズクッションに突き刺さるように座ってYouTubeを見てるだけ……。ポケモンの実況配信とか見てるんですけど、それも流しているだけなので、本当に何もしてない(笑)。 それで言うと、僕は上沼(恵美子)さんを尊敬しているんですけど、仕事でご一緒させてもらった時が嬉しかったですね。その時にエピソードトークを用意した事がないとおっしゃってて、だから「この前こんなことがあって~」と話しながら、その都度おもしろい事をすごい頭の回転の速さで、おもしろいエピソードにしていく人なんだと思いました。 僕もエピソードトークを用意して話すのあまり得意でなくて上沼さんのスタイルに凄く憧れてあんな風になりたいなと思います。まぁ絶対無理ですけど笑。 ――なるほど。出井さんのすごいなと思う人は? 出井:うーん……先輩だと、小杉さん(ブラックマヨネーズ)とか、後藤さん(フットボールアワー)とか、柴田さん(アンタッチャブル)とかはよく見てました。それこそ、若い頃なんかは文字起こしをして、何がどう面白いんだろうって考えたりしていました。あとは、虹の黄昏の野沢(ダイブ禁止)さんとか。 ――後輩からネタの相談をされたときはどうしているんですか? 楢原:人の評価とかではなく、「自分たちが面白いと思うことをやりなさい」って伝えてます。ウケる方法は、あとから勉強したらいい。とりあえず投げたい球を教えてくれれば投げ方を教える、投げ方から聞いてくんなってことです。 出井:僕らだって、M-1でやったネタがベストかどうかもわかんないし、ウケるならなんでもいいと思っています。僕らのポリシーは「ウケる」、ただウケたいだけなんです。 ――コンビとして、個人として、今後やってみたいことや目標があれば教えてください。 楢原:まずは、漫才ツアーですね。 出井:どこにも依存せずに、自分たちの漫才にお客さんをつけたいです。 楢原:例えば、テレビだったら、スポンサーや局のディレクターとかいるわけじゃないですか。そこに確認したり、時には配慮をしないといけないんですよね。 出井:そうそう。そういうことなしに、信頼できる人たちだけの意見を聞きながら、自然体で生きられたら最高だなと思います。 ――ありがとうございます。最後に、読者プレゼント用のチェキを撮らせていただきたいのですが……。 出井:あ、僕チェキNGなんですよ※、僕が楢原を撮りますね(笑)。 ※ヤーレンズは動画で「ファンアートは本人の目に入れる行為NG、出井がチェキ、楢原はアクスタNG」を宣言した。 (取材:萌映)
NewsCrunch編集部