セガンティ巡る疑惑で広がる波紋、銀行が頼るブロック取引の担い手
サドラー氏とラ・ロッカ氏を巡っては、米銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチ部門の元バンカー、トニー・サリアノス氏から、インサイダー情報を得て取引を行った責任が問われていると英紙フィナンシャル・タイムズが報じた。
メリルリンチ元バンカーも関与か-セガンティ創業者インサイダー事件
同紙によると、セガンティは2017年6月、香港のアパレル企業エスプリ・ホールディングス(思捷環球控股)の株式を、同月のブロック取引に先立ち売却した。
ブロック取引は取引所外で非公開の交渉を通じて実施され、関係者が電話やキーボードを使って詳細を詰めることが多い。取引を担当する銀行関係者は、仮定の質問をすることで機関投資家の株に対する意欲を見極めようとするなど、時に際どい手段を取る必要がある。
香港では、ブロック取引や他の株式市場取引の機関投資家向け枠において、どの投資家に株式を配分するかは銀行の裁量に任されている。
セガンティのマルチストラテジー・ファンドは、16年余りの運用実績があるが、年間でマイナスに陥ったのは2回にとどまる。3月の運用成績報告によると、運用開始以降で年率12.17%のリターンを上げている。これはS&P500種株価指数のトータルリターン10.24%を上回り、ユーリカヘッジ・アジア・ヘッジファンド指数のリターンの2倍以上の水準だ。そのため地域のヘッジファンド業界の中でも、最も安定した運用成績を上げているファンドの1つとなっている。
セガンティが投資家に運用成績を報告、インサイダー疑惑発覚後で初
原題:Segantii Allegations Roil a Go-To Block Trader for Banks (1)(抜粋)
--取材協力:Denise Wee、Sridhar Natarajan.
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