「売れない漫画家に収入を、売れている漫画家の価値を高めよう」浜田ブリトニーが起業した事業は驚きの「マッチング」だった
食える漫画家はひと握り。だからこそ夢がある。「そんな現実はいらない」と、浜田ブリトニーさんは、漫画家としての技術をどうお金に変えるか模索します。行き着いたのは、漫画家と彼らのスキルを望む人の「マッチング」でした。思わず納得してしまう浜田ブリトニーさんの一手とは?(全5回中の5回) 【画像】「これ絶対楽しいやつ」!浜田さんが作った漫画家とファンが交流できる場「こんな空間があったなんて」ほか(全12枚)
■「漫画家の価値と収入をあげたい」すべてはそこから ── 現在は実業家としてカフェバーの経営や、漫画のプロダクションも行っているそうですね。漫画のプロダクションとは具体的にどんなことをしているのでしょうか?
浜田さん:漫画家というと、コミック雑誌に漫画を描くのが一般的なイメージだと思います。大手の出版社でも、漫画家に支払われる原稿料って意外に安いんです。 というのも、大手出版社は漫画を単行本として出版することを前提としているから。雑誌掲載の原稿料はあまり重視していなくて、「漫画家さんは、単行本の印税で稼いでください」というスタンスなんです。 人気作を次々と生み出す一部の漫画家は、単行本がめちゃくちゃ売れて、印税もたくさん入ります。いっぽうで、連載しても短期で終了し、1、2巻しか単行本が出せなかったり、人気作品を生み出しても、その後ヒット作に恵まれなかったりする場合もあります。
すると漫画家の収入は安定しないんです。こうした人たちに向けて、私が紹介しているのが「企業案件」です。 ── 「企業案件」とはどんなものですか? 浜田さん:出版社以外の企業から声がかかる、PR用の漫画やイラストの依頼です。「漫画家さんに商品のポスターを描いてほしい」とか「パッケージのデザインをしてほしい」みたいなものですね。こういうお仕事は、出版社で漫画を描くよりもギャラが高い傾向があります。 たとえば企業から「少年漫画のテイストでポスターを描いてほしい」という依頼があったら、その希望に合いそうな漫画家を紹介しています。