J2ベガルタ仙台がいわき撃破…高田が先制、オナイウが決勝弾…東北ダービー制して4位浮上
◆明治安田J2リーグ ▽第18節 ベガルタ仙台2―1いわきFC(2日・ハワイアンズスタジアムいわき) ベガルタ仙台は2―1でいわきFCに初勝利。前半6分にDF高田椋汰(23)のゴールで先制すると、1―1の後半7分にはMFオナイウ情滋(23)が決勝点。東北ダービーを制し、4位に浮上した。 前半6分、仙台・高田がいわきサポーターを静まりかえらせた。右CKからファーサイドを狙ったボールが入ると、相手のプレッシャーにも動じず右足でボレー。「あのポジションが空くのをチームが分析していた。佳貴くん(MF松下)からいいボールが来たので思い切り振りました」。完璧に捉えたボールは相手DFに当たりながらゴールに一直線。GKの手もはじいてネットを揺らした。 普段は右サイドバック(SB)で先発する高田が、左SBで初先発。プロではもちろん、学生時代でもほとんど経験のないポジションながら、足の速い相手を完璧に止めた。「やりにくさはありましたけど、プロサッカー選手である以上、与えられたポジションで結果を残すのは当たり前」と胸を張った。 後半1分に2試合連続で失点も、集中力を切らさず同7分にオナイウが勝ち越し弾。左サイドで味方がドリブルからシュートを放つと「中の味方がガッツリ、ゴール前に詰めていた。自分も詰めたらこぼれ球を狙えない」とあえて一歩引いて静観。相手DFがクリアに手こずったボールに反応すると、右足を振り抜き決めた。 チームは前節の岡山戦で今季最多の4失点で完敗(1●4)。メンタル的に落ち込むところだが、連敗を避けるために前を向いて修正を続けてきた。GK林彰洋(37)も植田元輝GKコーチ(45)と綿密に試合を振り返った。「チームとして良くなかったなかで、GKとして何ができるかをフォーカスしてやってきた」と林。後半27、31分とビッグセーブを連発し、練習した成果を存分に発揮した。 試合内容が悪くても勝ち点「3」を積み上げる事が、自信へとつながる。次節の敵地・甲府戦(8日、JITス)に向けて「アウェーの地で楽な現場はないなかで、勝ち点3を取ったのは評価できる。次につなげていきたい」と守護神。油断することなく研さんを続け、今季3度目の2連勝を目指す。(山崎 賢人) 〇…いわきは後半に押し込み続け、試合を通して相手の倍以上となる16本のシュートを放ったが、決めきれず。満員となった4849人のサポーターの前でがっくりとうなだれた。田村雄三監督(41)は「前向きにプレーしようと言いましたけど、前半に関しては後ろ向き。相手に読まれてでも仕掛けろと言って、CK1本だった。キックオフのときからゴールに向かうプレーが出せてたら違ったのかな」と悔しげに振り返った。
報知新聞社