冬のフィンランドは何が魅力なのか?
素材を活かしたシンプルな料理は日本の寿司に通じるものがある
フィンランド人は「グルメで威張るフランスやイタリアの首脳がフィンランド料理はまずい、と言うが、素材を活かしたシンプルな料理は日本の寿司に通じるものがある」という。生で魚を食する文化も日本人の共感を得やすいかもしれない。そして個人的には決してフィンランド料理はまずくない。トナカイ肉は赤みが多くあっさりしているし、サーモンはさすが本場で新鮮だ。バラエティには欠けるかもしれないが、数日の滞在ならば地元グルメを満喫できるだろう。もちろん、遅くまで営業しているピザチェーンやハンバーガー店もある。 路面は石畳でやや歩きにくいし車はガタガタと進み土埃も多い。市内でも舗装されていない遊歩道が何カ所もある。しかしそれゆえの風情があるし、疲れれば飲食可能なサウナ施設もある。従業員向けに社内にサウナを持つ会社も少なくなく、560万の人口に対しサウナはなんと300万箇所以上存在するという。 サウナで汗をかき、ほてった体を冷たいバルト海に浸かって冷やす、というのがヘルシンキ流サウナの作法らしく、凍える寒さの中で海で泳ぐ人も多い。旅の疲れを汗とともに流し、翌日の活力に変える、これこそがフィンランドの旅の醍醐味だ。
土方細秩子