志田彩良“家茂”と岸井ゆきの“和宮”の友情を育む姿に「次来る地獄が怖いのですが…」と心配の声<大奥 Season2>
男女が逆転した江戸の世界を描く、ドラマ10「大奥 Season2」(毎週火曜夜10:00-10:45、NHK総合)の“幕末編”、第19回が11月28日に放送。第19回は、家茂(志田彩良)の思いやりある言動が、和宮(岸井ゆきの)の閉ざした心を溶かす様子が描かれた。また、岸井演じる和宮の心を閉ざしている時の表情と、心を開いた時の表情の使い分けが評価され、「#岸井ゆきの」が「#大奥リアタイ」とともにトレンド入りを果たした。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】慌てる姿もすてき…ネコをつかまえようとする天璋院(福士蒼汰) ■「大奥 Season2」“幕末編”を紹介 よしながふみの同名コミックをドラマ化した作品。3代将軍・家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸のパラレルワールドを舞台に、ジェンダー、権力、病など、現代社会が直面する課題を描く。 2023年1月期に放送されたドラマ10「大奥」(NHK総合)のシーズン2作目となる今作は、8代将軍・徳川吉宗の死よりおよそ20年後の物語。「この国から赤面(あかづら)を駆逐してほしい」という吉宗の遺志を引き継いだ若き医師たちは、理不尽な権力や悪にも抗いながら謎の疫病「赤面疱瘡(ほうそう)撲滅の道」を地道に切り拓いていった。 その結果、男子の数は増え始め、ついには150年ぶりに男将軍が誕生するまでの世へと紡がれていった。“幕末編”では、世のかじを男性が取るようになってから、世は再び乱れ始め、女将軍が復活。 そして、開国、攘夷、大政奉還、江戸城無血開城と時代は大きく突き進んでいき、徳川という時代の幕引き、ついには“大奥”の終焉を迎える。“幕末編”は“医療編”に続き、初めて映像化される。脚本は森下佳子が手掛ける。 ■和宮は偽物だった…第19回のあらすじ 家定亡き後、14代将軍となった家茂は、徳川に向けられた諸侯らの反感を抑えるため、井伊が推し進めていた公武合体で和宮を迎え入れた。しかし、朝廷から降嫁してきた和宮は偽物で、しかも女性だったことが発覚する。 瀧山(古川雄大)は、観行院(平岩紙)や土御門(山村紅葉)から事情を聞き、憤慨するも、家茂は冷静に受け止め、思いも寄らぬ決断を下す。事情を知ってもなお、和宮に温かく接する家茂に、天璋院(福士蒼汰)と瀧山は心配を募らせる。 第19回では、偽物である和宮の正体が、本物の和宮の姉であることも明らかに。さらに、偽物の和宮は、生まれつき左手が無く、弟ばかりを可愛がる母親からの愛に飢えている境遇だった。 正体がばれても悪びれる様子もなく、完全に心を閉ざしている和宮に対し、家茂は思いやりを持って接する。家茂の優しさに触れ、次第に和宮も少しずつ心を開いていく。 ■和宮の正体は女性だった 降嫁を拒否した孝明天皇の弟に成りすまし、身代わりとして母親の観行院とともに京から大奥へやってきたという和宮。その真実を知ってもなお、家茂は怒らなかった。 また、和宮は正体を知られた後も悪びれることもない。むしろ失うものがない分、態度が悪くなった気がする。 特に、瀧山のお願いを聞き入れ、歩み寄ろうとする天璋院にとったひどい態度には、イラっとした人も多いだろう。身分を明かし早々と京に引き上げる予定だったのだから、天璋院が家茂の後見人だとしても、和宮には心を開く理由もなかったのだ。 そんな和宮に、家茂は寄り添う姿勢だった。瀧山らに普段の和宮の様子を問い、聞き出した話から、和宮が心を開いてくれるように尽力していくことにしたのだ。 ■カステラがもたらす友情のきっかけ 家茂は和宮にカステラを持っていくことに。これまでの経験から、大奥でカステラが出ると思わず、身構えてしまう人も心がざわざわしてしまう人もいるだろう。今回は、このカステラが和宮と家茂の友情のきっかけとなった。 初めは薄気味悪いと口にすることも嫌がっていた和宮だが、家茂から父である天璋院からのお詫びの品なので一口だけでもとお願いされ、しぶしぶ口に運ぶ。和宮はそのおいしさに驚きながらも、花びら餅の方がおいしいと笑顔で話し始める。 素直じゃない和宮だったが、家茂の過ごすことで少しずつ心を開いていった。和宮にとって、家茂との時間は幸せあふれる瞬間だったに違いない。 ■今後訪れる可能性の地獄におびえる視聴者 家茂と和宮は友情を育んでいった。家茂の思いやりのある数々の計らいに心を開いた和宮は、徳川のために来たわけではないことや、本物の和宮が生きていることを打ち明ける。 母親の愛を独り占めしたかったという理由で降嫁した過去を家茂に話す和宮。話し終えた和宮は、涙する家茂に驚き、理由を尋ねる。家茂は、宮さまが民にとっての光なのだと告げられ、和宮は自分が必要とされている存在である事実を知り、さらに、家茂の優しさにも触れ、江戸に来て初めて涙したのだ。 これから先も友情が続いていくのだと期待したいが、そうはいかないだろう。これまでも光が差した後には、必ず地獄や絶望パートがやって来たのが「大奥」なのだ。X(旧Twitter)では、「家茂もすばらしい将軍」「いいカステラなのか、いや…油断するな!」「次来る地獄が怖いのですが…」という声が上がった。 さらに、和宮の感情の変化をうまく表現する岸井の演技力には、「目と口の使い分けがすごい」「こんなにも変えられるのか」と絶賛する視聴者が続出し、「#岸井ゆきの」がトレンド入りを果たした。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部