KYBで新たなデータ改ざん 中島社長らが会見(全文1)原点調整が行われていた事実を確認
新たなデータ改ざんの確認にいたった経緯
坪井:では、私より追加事象に関わる経緯についてご説明いたします。本年10月16日に公表させていただきました不適切行為は免震用オイルダンパー、制震用オイルダンパー、それぞれの性能検査において測定された伸び側と縮み側の減衰力の値に係数を掛け、これらを基準内に入れる係数書き換えというものでございました。 10月下旬、弊社が調査を依頼しております外部調査委員会の調査により、係数書き換えとは異なる不適切行為として、原点調整という行為が行われていた疑いが生じました。この原点調整と申しますのは、測定された伸び側と縮み型の減衰力の値を均等化させることを通して、これらを基準値に近づける、または基準内に入れる行為でございます。こうした疑いが生じたのち、性能検査に用いる検査機のプログラム解析など詳細な検証を行った結果、免震用オイルダンパー、制震用オイルダンパー、それぞれの性能検査において、原点調整が行われていた事実を確認するに至りました。 11月14日に国土交通省にご報告させていただき、翌15日には当社ウェブサイトにおきまして、従来の認識とは異なった手法による不適切行為があったことを公表させていただきました。その後、この追加事象が及ぼす影響度合いについて鋭意調査を行い、本日のご説明となりました。経緯につきましては以上でございます。 司会:続きまして、追加事象の詳細および物件への影響につきまして、齋藤よりご説明申し上げます。
データ改ざんの詳細について
齋藤:それではお手元の資料に従いましてご説明申し上げます。まず最初に大変恐縮ですが、先ほど坪井が不適切行為に関しましてご説明いたしましたけれども、もう少し補足をいたします。1ページ目は先ほどの説明と重複いたしますので、省略させていただきます。 まず添付資料を、後ろのほうに付いております。絵でご説明させていただきたいと思いますので。こういった資料が付いています。1ページ目の通常の手順、あるいは係数の書き換え、原点の調整ということで、先ほどご説明させていただきました。 下のほうの2ページ目をご覧ください。検査工程に関わるフローを示してございます。黒い線が本来の適正な行為を示してございます。また前回10月16日に発表した書き換え行為というのが青い線で示しております。こういったように、合否判定ののちに不適合品の検査結果に一定の係数を掛けて合格と示してしまったことを意味してございます。 今回の追加事象は原点調整と称しまして、係数を掛けた行為とは別に減衰力を変更する行為があったものです。図の中では青い線で表しております。本来の分解・調整を行わずに合格とした場合もございます。右上にございますように、係数を書き換えをしたのちに原点調整をした場合、係数書き換えをせずに原点調整をした場合などがございます。 次のページにイメージを付けてございます。まず上側でございます。左側が係数書き換えの係数です。伸び側、縮み側ともに同じ倍数で大きくなったり小さくなったりいたします。一方、右側が原点調整のイメージ図です。全体を上にずらしたり下にずらしたりしております。その下の絵は横軸に速度、縦軸に減衰力を表しておりますけれども、先ほどの上の絵と同じ内容を示してございますので、詳細の説明を省略させていただきます。 それから次のページです。次のページは今回の不適切行為の追加事象と異なりまして、検査機に保存してあるデータから減衰力の正しい値が求められるようになったということに関して示してございます。これまで掛けられた係数が判明しないで不明と区分されているダンパーに関しまして、検査機の特性より係数が分かるといったことがようやく分かりまして、具体的には検査機に残されている個々のデータ、お客さまに提出した検査成績書、こういったことから検査機を逆算することが一部できたということに関して、添付資料の5ページと6ページでご説明しておりますけれども、詳細については省略させていただきます。 それではA4の資料の1ページ目にお戻りください。1ページ目、先ほどご説明申し上げましたように、判明の行為と不適切行為の内容そのものが書いておりますので、2ページ目に移らせていただきたいと思います。2ページ目の3ぽつですけれども、これも先ほど添付資料のほうでご説明させていただきましたので、省略させていただきます。 4ぽつでございます。免震用オイルダンパーはこれまで適合としていたものについて追加事象を行っていた疑いがあるため、それらをいったん不明扱いに変更いたしました。その不明品の中で先ほどの検査機データの解析というところから元に戻った、それぞれのステータス区分を反映してございます。また制震オイルダンパーにつきまして、不適切行為の疑いがあるものを不明という区分にして、正しい数値が判明したものを、それぞれ反映してございます。以上によりまして大臣認定不適合、お客さま基準外不明の対象物件、製品数の修正をしたものが表に示した数字になります。この3つの区分の総数はかつて964。これは免震が885、制震が79という数字がございましたけど、その総数がございますが、それが免震が995、制震が107ということで、全体が1102物件ということになってございます。都道府県別、用途別の修正した数字を2ページ目の下半分に免震用、3ページ目の上半分に制震用ということで記載をさせていただいてございます。 5ぽつに業績の影響ということがございますけども、本日付で業績予想の修正に関するお知らせを別途発表していると思いますが、それについてはこの場では省略させていただきます。 最後に今後の対応についてご説明させていただきます。追加事象の影響など、関係者の皆さまへのご説明が遅れまして、多大なるご迷惑をお掛けしてございます、大変申し訳ございません。今後の製品の適合化につきましては、安全性の検証結果や大臣認定不適合の物件に配慮いたしまして、災害時などの活動拠点や避難場所となる施設、多くの方がお住まいになる施設、不特定多数の皆さまが利用する施設などを優先として、所有者さま、関係者さまとご相談しながら適切な対応を進めていきたいというふうに考えてございます。長くなりましたけども、ご説明は以上とさせていただきます。 司会:それではこれよりご質問のほうを賜わりたいというふうに思います。ご質問のある方、挙手のほうをいただきまして、会社名、お名前のあとにご質問をお願いいたします。 【書き起こし】KYBで新たなデータ改ざん 中島社長らが会見 全文2へ続く