Webライター4年目、初めてカメラを買う 仕事にも趣味にもちょうどいいカメラって?
ライターという仕事にカメラが必須というわけではない。正直カメラを持っていなくても仕事はまったく困らない。ちなみに筆者は、『iPhoneXS』といういにしえの携帯だけで、4年間ライター業を続けてきた。 【写真】編集部員おすすめのカメラたち そもそもしっかりとした写真が必要な記事の場合はカメラマンが同行する。だが、ちょっとした物撮りやレポート、単独で伺う場合のインタビューなどは、ライターが撮影を兼任する場合もあるのだ。とくに人物を撮影する際は、スマホよりもカメラの方が撮られる側の気持ちもいいだろう。 ライター業・業界歴ともに4年目を迎えた筆者は、“カメラを持っている方が仕事の幅が広がるかもしれない”ということにようやく気づき始めた。世に出せるレベルの写真が撮れるライターの方が重宝されるのではないだろうか。 また、プライベートでも「カメラがあればな」と思うときは多々ある。海外旅行やお花見といったイベントもそうだが、日本の歴史的建造物や絶景スポットを見てまわってみたいというひそかな夢もある。せっかく滅多に訪れない場所に行くのであれば、相棒となるカメラと一緒にまわりたいのだ。そこで今回は、満を辞して人生初めてのカメラを買いに行くことにした。 ・編集部員おすすめのカメラたち カメラは完全に初心者なので、編集部のメンバーにどんなカメラがおすすめかアドバイスをもらうことにした。条件は、「持ち運びやすい」「予算は5万円~10万円」「仕事にもプライベートにも使える」という3点だ。 ■家電・ガジェット担当:小川さんおすすめのカメラ 『DC-G100DK-K』 発売日:2024年1月 価格:89100円 小川さん:僕は重いカメラを持ち歩くのが大変なので、コンパクトなこちらをおすすめします。このカメラは、『マイクロフォーサーズシステム』という、オリンパスとパナソニックが策定した規格になります。カメラが大きいと、レンズとバッテリーも大きくなるからカバンも大きくしなくちゃいけないですしね……。小さくてもセンサーが被写体を綺麗に捉えてくれるので、Web媒体に必要なクオリティは担保できますよ。 レンズ付きでこの価格というのも魅力的ですし、Type-Cで充電ができるのも便利でいいですね。一眼レフカメラの入門編としてもおすすめです。 ーー実際にお店で触ったところ、値段も予算内で何より軽い。持ち運びがしやすいことは最低条件に入れていたものの、軽いカメラがここまで魅力的に感じるとは思わなかった。編集部のメンバーからは「実際に触って買いに行った方がいい」とアドバイスをもらっていたのだが、こういうことかと納得した。 ■メタバース・VTuber担当:三沢さんおすすめのカメラ 『RX100V(DSC-RX100M5)』 発売日:2016年10月21日 価格:オープン価格 三沢さん:僕はSONYユーザーなので、SONYをオススメします! 生産は終了していますが、中古でも人気の高いモデルです。8~9万で美品が手に入り、軽量・コンパクトでありながらしっかり撮れるコンパクトデジタルカメラです。 ちょっとした発表会、ブツ撮りであればコレひとつでバッチリこなせます。けっこういろんなところで、RX100シリーズを使っている方を見かけますね。オートフォーカス範囲が25点から315点像面位相差AFに進化したモデルでもあるので、そういう意味でもRX100Ⅴ以降をオススメしたいです。 ーー店舗で販売していたのは予算からプラス2万円弱オーバーしており、今回は残念ながら断念した。 『VLOGCAM ZV-E10』 発売日:2023年5月26日 価格:オープン価格 三沢さん:Vlogカメラというと、『VLOGCAM ZV-E10』が有名ですが、こちらはEマウントレンズの付け替えに対応した機種です。動画に強いVlogカメラですが、センサー自体はSONYのミラーレス一眼と同じなので、もちろん写真もOKです。 RX100シリーズ同様に持ち運びがしやすいサイズなことにくわえて、こちらは将来的にレンズを買い替えていける拡張性の高さもポイントですね。旅行先で使うなら、一緒にスタビライザーなんかも買ってあげると思い出に残る映像が撮れるのではないでしょうか。 ーーこちらは予算内でありながら、軽くて持ちやすい。そして三沢さんが言う通り、店員さんも「動画も撮るならおすすめです」と教えてくれた。 ■編集長:中村さんおすすめのカメラ 『RICOH GR III』 発売日:2024年4月12日 価格:オープン価格 中村さん:お2人のカメラを踏まえて、コンデジとちょっと特殊なカメラをおすすめします。『RICOH GR III』はコンデジのなかでも味のある機種ですね。値段は張るが持ち運びやすいうえに、イメージセンサーが一眼と同等の大きさで高画質・高品質なのが特徴です。 電源をつけてから約0.8秒で速撮りができるし、スマホと連携してすぐに転送・確認することも可能です。ただレンズが固定のためズームができないのと、フラッシュがないというのが難点ですね。 ーーこちらは店員さんいわく、人気すぎるのと生産数が少ないのもあり、店頭には並んでいないようだ。ここまで人気な理由としては、フィルムカメラ時代からの根強いファンが多いからではないか、と教えてもらった。 『SIGMA fp』 発売日:2021年4月16日 価格:オープン価格 中村さん:フルサイズミラーレスだけど本体がすごく小さく、高性能レンズであるLマウントに対応しています。シネマカメラとしても使えるくらいフィルムライクで撮れるので、おすすめですね。パキッとした絵柄が撮れやすく、本当に“SIGMAっぽい”色味が好きならおすすめなんですけど、そこまでピンと来ないなら避けた方がいいかもしれないです。 ーーこちらはレンズ込みだと30万円ほどになってしまうとのことで、今回は断念することに。 ・実際に購入したカメラ 結果、私が購入したのはパナソニック『DC-G100DK-K』だ。ソニーの『VLOGCAM ZV-E10』とかなり迷ったのだが、決め手はフラッシュが取り付けられているのと、ファインダーがついてて「かっけぇ……!」と感動したからだ。ファインダーの重要性については追々勉強するので、見た目がかっけぇ、という安直な理由で購入したことは許してほしい。 あとは、プライベート・仕事でも“写真”をメインに使用することを想定していたので、動画機能についてはそこまで魅力を感じなかったのも、『DC-G100DK-K』を選んだ理由だ。 カメラと一緒にメモリーカードと保護フィルム、カメラケースも購入。レンズ保護のフィルムだけでも見上げるほどの種類があり、正直驚いた。 すべて合わせ、購入金額は96660円。たまたまかもしれないが、何から何まで丁寧にアドバイスをくれ、ちゃんと予算内に収めてくれた店員さんには頭が上がらない。 カメラコーナーを訪ねたときは右も左もわからず、周りのお客さんは全員カメラの玄人に見えて、筆者は正直かなり不安そうな顔をしていたと思う。 でも編集部のメンバーにおすすめしてもらった機種がいくつかあったので、それを足がかりに選ぶことができた。筆者と同じようにカメラ初心者が買いに行くのであれば、有識者から事前にいくつかおすすめをしてもらうと心強いのではないだろうか。 また、目的をはっきりさせておくことも意外と重要だ。当たり前のことかもしれないが、どれだけ博識で親切な店員さんでも、カメラを使って何をしたいのかがわからないとおすすめのしようがない。 後日、さっそく写真を撮るという目的で外へと繰り出した。カメラがあるだけで、こんなにも軽い足取りで外に出ようという気持ちになるのだから不思議だ。いろんなところに連れて行ってあげようと思っていたのだが、もしかしたら連れて行ってもらうのはこちらかもしれない。これからどんな出会いを引き寄せてくれるのか、とても楽しみだ。
はるまきもえ