新サカスタ稼働1カ月、見えてきた課題 メインビジョン・トイレ・Wi―Fi…意見やクレームは100件以上
サッカースタジアム「エディオンピースウイング広島」(広島市中区)が、2月10日のプレシーズンマッチG大阪戦から本格稼働を始め、1カ月がたった。指定管理者のJ1サンフレッチェ広島は、試合運営で浮かび上がった課題に逐次対応。「観客が安全で快適に楽しめるスタジアム」へ試行錯誤を続ける。 【誕生】エディオンピースウイング広島 1カ月間でクラブに寄せられた意見やクレームは100件以上に上る。その一つがメインビジョンの表示だ。G大阪戦はスコアだけだったが、柳原弘味・企画統括部長は「『時間なども分かるようにして』という意見が多かった」。同月23日の浦和戦以降、時間と選手名を表示するよう改善した。 トイレにせっけんがない、スタジアム内にごみ箱が少ないなどの意見もあった。せっけんは全て配置し、ごみ箱設置場所も21カ所から34カ所に増やした。柳原部長は「準備段階で配慮が抜けていたものも多かった」と反省する。 入退場時の観客の安全には特に気を配る。G大阪戦後に混雑が目立った城南通りには、警備員を8人から10人に増員。退場時の観客が一つの階段に集中したバックスタンド2層は、誘導員を15人増やして分散を促した。 一方、対応に頭を悩ませているのは、スタジアム内のWi―Fiと入場待ちの場所取りだ。 G大阪戦で「Wi―Fiがつながらない」との苦情が多かったため、12本のアンテナを14本に増設したものの、状況は変わっていない。入場待ちは、開門2時間前からの場所取りを認めているが、数日前から待機場所にテープを貼るなどルール違反が頻発している。 柳原部長は「現状が最善とは思っていない」と強調。アンテナの再増設や場所取りのルール見直しも検討中とし、「常にお客さま目線に立って対応する」と述べた。
中国新聞社